戯言スクラップブック

また日記を書き始めました。読んだ本や聴いた音楽など CD棚 https://kankoto.hatenadiary.jp/ 

読書

開高健「人とこの世界」

週間ブックレビューの開高健特集で紹介されてて思わずアマゾンにて買った本。開高健が彼自身より年上の先達者を訪ねて行っての対談集。しかし対談している部分よりも開高健がその人物に対して書き綴ってる部分の方が多い。開高自身も「文章による肖像画集」…

立花隆 佐藤優「ぼくらの頭脳の鍛え方」

この間テレビをみて急に立花隆の物を読みたくなって、いろいろ読みかけのものはあったけれど一気にこちらを読んでしまった。 自分はなんて物を知らないんだろうとちょっと唖然とした。一部の部分のしかも非情にうわべでしか物を考えてないんだなあと思った。…

吉田修一

本屋さんで見つけて気になってて読みたいなと思ってて調度c嬢が持ってるのを発見したので2日間で大急ぎで読む。九州から上京してきた大学1年生の男のこの1年間がただ描かれている話ですらすらと読めてしまって、読んでるときは別にそんなにどうと思わな…

武田百合子「ことばの食卓」

凄く好き、凄くいいなあ・・・・なんかいでも読み返そうと思う。空気を日々を、生活を、風景を、すっと見ているひとりの少女が武田百合子さんの中にいる。 便所へ丸裸で入ると、何だか頼りなくて、するりと便壺へ吸い込まれてしまいそうである。 ことばの食…

レベッカ・ブラウン「犬たち」

レベッカ・ブラウンの小説で今まで読んだのは「体の贈り物」と「家庭の医学」でこの2冊は好きだったけれど今回はちょっと読み進むのがしんどかった。途中で赤ずきんの話が出てきたり、何やら戯曲みたいなのが出てきたり、そこについていけず難しいなあと思…

村上春樹「神の子どもたちはみな踊る」

こちらも再読(何回目だろう)アマゾンには表示されないけど表紙がカエルのならんでいる文庫本で読む。するすると読めてでもああこういう話だったんだとハッとさせられる部分もたくさんあった。そして1Q84を読んだあとでは1Q84にまで繋がるものがこ…

藤沢周「陽炎の」

再読。藤沢周さんの描くぎりぎり感が好きだけど「海で何をしていた?」と「砂と光」はちょっとしんどかった。男の人の性に目覚める頃のことがかかれているんだけど、男の人って大変なんだなあと気の毒になるくらいに。最後の「事情聴取」も夢なのか現実なの…

桐野夏生対論集「発火点」

アマゾンの画像には写ってないけれど帯が桐野さんの写真になってて、おおっ!となる。帯後ろのサングラス姿もかっこいい。 桐野さんの今までの対談をまとめた対談集。と思ったら対論集となっていた。そこになにか意味があるんでしょうね。興味深くて面白いの…

千野帽子「読まず嫌い」

楽しく読んだ。もっと色々知らないものがいっぱいあるんだなと思うとウキウキする。 読書というものが、そんな消化試合みたいな、答え合わせみたいなものだったら、苦行以外のなにものでもない。「おもしろい」を見落として「わかる」くらいなら、「おもしろ…

コンラッド「闇の奥」

光文社の古典新訳文庫の一冊。「闇の奥」は読んだことがなかったので初読みがこの新訳文庫になる。今までの翻訳本は難解らしいけど(訳者のあとがきによると)新訳本は読んでいて停滞することなくぐっと集中して読めた。 やっぱりそのコンゴの密林の中の空気…

太宰治「ヴィヨンの妻」

実は太宰治はぜんぜん読んでない。中学生の頃「斜陽」を読んでなにか反発感じたらしく(もう内容も覚えてないけれど)太宰とまったくかかわりなくここまで生きてきた。今年は生誕百周年とのことで本屋さんには太宰本があふれているけれど、読んでみようかな…

平野啓一郎「小説の読み方」

読んでみました。こういう本を読むのは好きだけど、いざ小説を読み時はそんなこと何も考えていない気がする。読み方変えられない・・・と言うか色々考えながら読みたくないってどこかで思ってるからじゃないかな。小説の読み方~感想が語れる着眼点~ (PHP新書…

高山なおみ「日々ごはん11」

高山さんのこの「日々ごはん」と銀色夏生さんの「つれづれ」はずっと読んでいていつも次が出るのを楽しみにしている。「日々ごはん」、だけどこの巻を含めてあと2巻で終了なんだな・・・・。ずっと続いていくものなどないし高山さんが次のステップに移った…

安部公房「カンガルーノート」

なんだろう、これ、凄いシュールだった。SFとも言える?ファンタジーとも言えるかも知れない。どれが現実でどれが夢で、でも最後まで読んだら全部が幻想、の中の話? 読んでる間中すねがむずがゆくて仕方がなかった。(主人公の脛にかいわれ大根が生えてくる…

長嶋有「夕子ちゃんの近道」

長嶋有さんの小説を読んでいるとずっと終わらなさそうな、終わらなくてもこのままそこに在る毎日をずっと書いててもらっていいような・・・・ずっとそれを読んでいたいようなそんな気になってしまう。もちろん終わりはあるんだけど。山荘ものだと夏の終わり…

亀和田武×坪内祐三「倶楽部亀坪」

面白くて一日で読んでしまった。お二人が街歩きをしながらその街に関係のある人物の事なんかを話たり飲んだり食べたり。大阪や沖縄というのもあるけれど殆どが都内の街。今の街と少し前の街と。こんなに街によっての空気感があるんだなーと思いつつ、知らな…

桐野夏生「ローズガーデン」

やっぱりミロかっこいい!そして出てくる人物が魅力的。それから自分の知らない新宿の街の匂いが漂ってくる。ローズガーデン (講談社文庫)作者: 桐野夏生,桃谷方子出版社/メーカー: 講談社発売日: 2003/06/13メディア: 文庫 クリック: 13回この商品を含むブ…

穂村弘「にょにょっ記」

もう、面白くて脱力させられて本当にいいなあ。え〜そう?と思ったり、あ、そうだよな〜と思ったり。こういう小さな事を面白く書いてくれるのってあと誰がいるだろう。長嶋有さんとかもそうかな。こういうものを読むとガチガチしがちな頭の中がほぐされる。…

阿部昭「短編小説礼讃」

本棚から引っ張り出してきて読んだ。多分買ったまま読んでなかった。帯に本書でとりあげる主な作品とあって 国木田独歩く「忘れえぬ人々」菊池寛「身投救助業」志賀直哉「剃刀」梶井基次郎「愛撫」モーサッパン「聖水番」ドーテ「アルルの女」ルナール「にん…

小沼丹「村のエトランジェ」

村のエトランジェ (講談社文芸文庫)作者: 小沼丹出版社/メーカー: 講談社発売日: 2009/07/10メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 18回この商品を含むブログ (14件) を見る感想あとで

青山南編「旅するアメリカ文学 名作126」

仕事疲れでぐったりした体を横たえてページをめくる。想像の土地…。一編一編、抜粋された文章を読むだけで楽しい。旅するアメリカ文学 名作126作者: 青山南,長崎訓子出版社/メーカー: アクセス・パブリッシング発売日: 2009/07/17メディア: 単行本(ソフトカ…

津村記久子「君は永遠にそいつらより若い」

自分は学生時代にこんな風に男の子と本音でぶつかって酒をひっかけられたことってないなと思った。いつも誰かと話す時ってやっぱりつくろってるような気がする。とげとげを隠している。そしてそれを全部さらけだして話したことってない。 会話がとても生々し…

中上健次「紀州 木の国・根の国物語」

中上健次のふるさとである紀州をまわるルポであるけれど最後まで読んだらこれは物語だと思った。そうしたら題名に木の国・根の国物語と書かれていたことに気づく。 自分の生まれでた土地、自分のルーツ、濃厚な空気。 私は、言葉を持っているのである。どん…

コラム・マッキャン「ゾリ」

何回も本屋で手にとっては戻していた。だってみすずの本なので高いし(汗)なかなか分厚いので躊躇していたのだ。でも桜庭一樹さんもお薦めしていたし、やっぱり表紙のあのピンクの文字にやられてしまって買ってしまった。 読むの大変かなと思ったけれどぐん…

堀江敏幸「彼女のいる背表紙」

クロワッサンに連載されてたものをまとめた作品。堀江さんが過去の書物のなかで知り合った印象深い女性たちとの再会を語ったもの、あとがきによると。 例によって堀江さんの文章でその作品が語られるとその作品が読みたくなってしまい付箋を貼りながら読んで…

戦後短編小説再発見6 変貌する都市

それで名古屋へは読みかけの堀江さんの新刊じゃなくてこちらを持って行った。再読。覚えているものもあったし、忘れていたものもあった。織田作之助「神経」梅崎春生「麺麭の話」阿部昭「鵠沼西海岸」が良かった。でも一番良かったのは林芙美子の「下町」(…

森見と登美彦「きつねのはなし」

森見作品のうち持っていない作品だったので文庫本になってやったー!と喜んで買ってきた。 しかし読み進むうちに、おや、あれ?えーっと、と言う感じにいつものあのふふふと笑う可笑しみのある文章にあたらない。そこがちょこっと意外な感じもしたけれどそこ…

銀色夏生「つれづれノート16」

もう16冊目なのか〜そして今回もとても分厚い。それを一気に読んだ。読んでない人にちょっとあれなので書かないけど3人の環境がまたガラリと変わってびっくりした! いつも思うことだけれど銀色さんは身内に対しての感情がストレートでそこを読むとひやっ…

カズオ・イシグロ「夜想曲集」

カズオ・イシグロの著作を読むのは「わたしを離さないで」につづいて2冊目。副題が「音楽と夕暮れをめぐる五つの物語」と書かれている。読み終わったあとなにか良い映画を見た後のようなふーっと一息するような満足感があった。一話一話がとてもよく出来て…

国際交流基金・企画 柴田元幸, 藤井省三, 四方田犬彦, 沼野充義・編 「世界は村上春樹をどう読むか 」

村上春樹は好きだけれど村上春樹について書かれた評論とかあまり興味がなくていわゆる村上本を全然読んだりしてないんだけどこれは柴田さんとか四方田さんとかがかかわったシンポジュウムのレポートみたいな感じでちょっと面白そうだなと思って読んだ。 色ん…