戯言スクラップブック

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コラム・マッキャン「ゾリ」

 何回も本屋で手にとっては戻していた。だってみすずの本なので高いし(汗)なかなか分厚いので躊躇していたのだ。でも桜庭一樹さんもお薦めしていたし、やっぱり表紙のあのピンクの文字にやられてしまって買ってしまった。

 読むの大変かなと思ったけれどぐんぐんと読んでしまった。ジプシーの(ロマ)の少女が文字を手に入れ、詩を綴り、時代に持上げられ裏切られ、仲間から追放され、ここで生きている自分とはまったく別の人生だ。だけれども読んでいる間ゾリが乗り移っていたような感覚。スワンとの恋愛を美しくセクシャルに描かれていてうっとりもする。一番好きなのはひとり漂流するところだ。非情な道をただひとり進んでいく彼女。そこに生を感じる。かっこいいなと思う。

 彼女にとって言葉を綴ると言うことはなんだったのだろう。

ゾリ

ゾリ