カズオ・イシグロ「夜想曲集」

 カズオ・イシグロの著作を読むのは「わたしを離さないで」につづいて2冊目。副題が「音楽と夕暮れをめぐる五つの物語」と書かれている。読み終わったあとなにか良い映画を見た後のようなふーっと一息するような満足感があった。一話一話がとてもよく出来ていてその風景を想像しながら読んでしまった。良い映画を見た後のようなと思ったのはエンターテーメント作品としてもよく出来ているなと思ったからかもしれない。「降っても晴れても」や「夜想曲」なんかユーモラスな場面も出てくるしおもしろい。
 それぞれに男女が出てくるけれどどこかで相手の全てを受け入れられない部分があってそれによって離れていくというのか・・・・それを仕方のないことと受け入れる物語たちのような気がした。好きあっていても自分という個は変えられないものなんだな。最後はどれもその部分でのほろ苦さを感じさせられる。


夜想曲集:音楽と夕暮れをめぐる五つの物語

夜想曲集:音楽と夕暮れをめぐる五つの物語