戯言スクラップブック

また日記を書き始めました。読んだ本や聴いた音楽など CD棚 https://kankoto.hatenadiary.jp/ 

堀江敏幸「彼女のいる背表紙」

 クロワッサンに連載されてたものをまとめた作品。堀江さんが過去の書物のなかで知り合った印象深い女性たちとの再会を語ったもの、あとがきによると。
 例によって堀江さんの文章でその作品が語られるとその作品が読みたくなってしまい付箋を貼りながら読んでたんだけど途中で後ろに「引用・参考文献」が出てるのを知って、なんだ〜ってちょっと脱力した。しかもちゃんと題名が「彼女のいる・・・・」となってるのにほぼ最後の方まで読んで、あれ、これ全部女の人のことばかり書かれてるんだな〜なんて思ったりして自分ちょっとぼけているんだろうか(笑)

 堀江さんの文章で、堀江さんの世界で包まれた作品が、外側の堀江さんの包装紙をはずした時はたしてどんな印象をもってせまってくるんだろう。そこがちょっと怖いようなきがするし楽しみでもある。(だって堀江さんの文章を読んでいると夢見るようなすーっとした空気がながれるんだもん)あ、自転車に乗るときにさせて押してもらってた堀江さんの手を離れてひとりでその作品のなかにこぎ出すようなものかも。巻末の「引用・参考文献」を見ながらどの作品にこぎ出していこうかなと考えるのも楽しい時間。

彼女のいる背表紙

彼女のいる背表紙