戯言スクラップブック

また日記を書き始めました。読んだ本や聴いた音楽など CD棚 https://kankoto.hatenadiary.jp/ 

エリザベス・ストラウト「オリーヴ・キタリッの生活」


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少し気持ちが落ち着いたので今日は映画を観、「オリーヴ・キタリッジ」を読み続けた。

海外文学の短編を読むのって本当にいいな、好きだなと思いながら読む。一編読んで少しぼんやりとし、それから次の短編を読む。難点は読んだ側から結構内容を忘れたりしている事。今回もこの話どういう話だっけ?とページをパラパラとさせながら振り返ったりした。この行為がKindleだとやっぱり難しいよなと思う。


「オリーヴ・キタリッジ」は先にドラマを観てしまったのでその影響力は大きいと思う。ドラマになっているのはこの中の数編だし、少し変えている部分もあるけれどティストは小説とドラマ、変わらなかったと思う。一番影響力が強かったのは主演のフランシス・マクドーマンだろう。オリーヴが出てくるところは頭の中は全て彼女を思い浮かべてしまっていた(笑)いや、多分、小説のオリーヴはもっと太って大柄なんだと思うけれどあの強烈な性格がもうまさにはまり役だったので。

小説は必ずしも彼女が主人公じゃない話もあって、本当にちらっとしか出てこない作品もある。架空の港町に住む人達の普通の生活の中のさざなみみたいな出来事が綴られていてそれがわかる!ってなるのだけれどこれはここで描かれたのを読んで初めて気がつくわかる!なので感心させられてしまう。

そして読み進めていくうちにフランシス・マクドーマンだったオリーヴがなんと自分になってしまっている事に気がつく。オリーヴの中に自分が入り込んでしまったのか自分の中にオリーヴが入り込んでしまったのか。それとも自分の中に元々オリーヴが存在していたのかもしれない。


本を閉じてそんなオリーヴに別れがたい気持ちになるがすぐ続けて「オリーヴ・キタリッジふたたび」を読むので楽しみだ。


*映画

突入せよ!「あさま山荘」事件

明日への地図を探して

ジュゼップ


*読了本

エリザベス・ストラウト「オリーヴ・キタリッジの生活」

瞳孔をひらく

昨夜、また1時過ぎに目が覚めてしまったのでApple Musicのプレイリスト、「眠りを誘うクラシック」をヘッドホンで聴きながら目を閉じる。一曲目はオーラヴル・アルナルズさんだ。

そう言えば、オーラヴル・アルナルズのアルバム、入院中眠れない夜に聴いていたなあ。消灯がない9時で翌朝の6時までじっとしていなければ行けないなってとても苦行だった。相部屋だからなるべく音を立てないようにして音漏れしないように音楽を聴いていた。1番よく聴いたのは渚にての新しいアルバム。


それでこの「眠りを誘うクラシック」のおかげで朝の5時までなんとか眠ることが出来た。


かかりつけの眼科の先生からの紹介状を持って総合病院へ。詳しく眼底検査をしてもらう為。

またもや瞳孔をひらく目薬をさされる。時間と共に視界はすりガラス越しの世界へ。ぼんやりとした明るさ焦点は合わない感じ。

右目はやっぱり白内障だった。その為に視界が霞んで視力が落ちたらしい。でもとにかく失明してしまう様な重大な事になってなくて良かった。先生にも良かったですねと言われる。

それでもまあ白内障である事には変わりなく、症状を改善するには手術しかないらしい。両目での視力でとりあえず普通免許の運転は大丈夫なのでほっとした。またかかりつけの先生に結果は送ると言う事。手術したくなったらまた紹介状をもらって来てくださいと言われる。

いずれはやった方がいいんだろうなと思うけどまだそんな歳でもないと思うのになんとも情けなく悲しい。

足首を折った時も思ったけれど自分で自分の身体が可哀想になってしまう。


この間もそうだけどこの瞳孔をひらく目薬をさされると完全に回復するまでに結構時間がかかる。今日も夕方くらいまで視界が悪くぼんやりしていた。映画も観ず、本も読まず。そしてこの薬をさされると若干気持ち悪くなってしまう。自宅に戻ってソファで横になりぼんやりとしていた。ぼんやりとするのは好きだけれど在所のないこんなぼんやりは嫌だな。


*聴いていた音楽

Apple Music「眠りを誘うクラシック」

「ジョン・F・ドノヴァンの死と生」を観る

眼の事を考えていたせいか昨夜は眠れず、目を閉じてじっとするも時計を見ると1時間しか経っていなくて苦しい夜だった。

それで昼間にApple Musicで色々眠りの音楽?を検索したりしていた。今夜はこれを試してみよう。


グザヴィエ・ドラン監督の「ジョン・F・ドノヴァンの死と生」を観る。ずっと観たかった映画、wowwowで放送してくれた。やっぱりドランの空気が流れていて良かった。最後にthe verveのbetter sweet somphonyがかかってうわっ!ってなった。やっぱりドランの音楽の使い方が最高。そのまま懐かしくなってしまい、「Urban Hymns」を一枚丸々聞く。特別にヴァーブのファンというわけではないけれどこのアルバムは大好きだ。それから懐かしくなってbetter sweetのミュージックビデオをYouTubeで見てしまう。あの頃音楽チャンネル、MTVだとかスペシャだとかで流れまくってた。ひたすらリチャードアシュクロフトが人にぶつかりながら歩く映像。 あの頃音楽チャンネルばかり見ていた記憶。あの頃の空気感。


話がドランの映画から離れてしまった。ドラン作品全部見たわけじゃないけど最初見た時そんなにでもなかった「トム・アット・ザファーム」が凄く好きだ。何でだろう、物凄く暴力的な映画だと思うのに。と書いているとまた観たくなってきた。最後にルーファス・ウェインライトがかかるんだよなあ。


*映画

ジョン・F・ドノヴァンの死と生


*読んでいた本

エリザベス・ストラウト「オリーヴ・キタリッジの生活」


*聴いていた音楽

The Verve 「Urban Hymns」

大岡信 「折々のうたを語る」

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大岡信の「折々のうたを語る」読了。

今年は大岡信丸谷才一の本を交互に読もうと思っているのだけれどまずは大岡先生の本を読み終わるのに時間をかけてしまった。昔、朝日新聞に連載されていた「折々のうた」今は岩波新書になってるやつ。朝日ゼミナールの依頼で行われた講演が本にされたもの。「折々のうた」で取り上げられた歌を季節ごとに分けて取り上げられていて歌の説明だけではない、その歌を歌った人についてだとか、季節のことなど色々と話されていて楽しい。ただ自分で作品を読んでいるだけでは到底理解できなかっただろうなと言う部分からその歌の世界がぐんと広がっていく。大岡先生の話された部分を読んでまた歌を改めて読むとなんとも言えずため息の出る様にうっとりとその歌を味わってしまった。


これは前にも書いたかもしれないけれど高校生の時、実は大岡信に手紙を出したことがある。どの本を読んでだか忘れてしまったけれど感動して手紙を出したのだ。ある日学校から帰って来るとポストに葉書が一枚入っていた。毛筆で書かれた文字。

信じることが大事 

と書かれてあったと思う。ちょうど受験生だったのでそんな事情も書いた様な、うっすらと覚えがある。そんな10代の自分に言葉がとても励みになった。

遠い昔になってしまったな。この本は装丁が菊地信義、発行は昭和61年だった。多分買った時に最初の方は読んだと思うけれどずいぶん長く読みかけのままにしておいたものだと反省。


今日は朝出かける前に「幸福路のチー」と言う台湾の方の監督のアニメ映画を見る。素晴らしくて何回も何回もうるっと来てしまった。

それから眼科に出かけた。コンタクトレンズ、と緑内障の定期診察といつもかかっている病院。骨折があって3ヶ月も間以上もが空いてしまった。診察してもらったら右目の視力が物凄く落ちていて色々と心配な部分もあり、眼圧も上がっているとのことで紹介状を貰って大きな病院で再検査してもらう事になった。何か一気に気持ちが落ち込んでしまう。せっかく足の方が良くなってきて写真を撮ったりに出かけられるかなと思っていたのに。左目の飛蚊症は年齢、近視が原因ならそんなに心配する事は無さそう(ただし根本的に消す事はできず、自然に消滅するか、気にならなくなるのを待つしかないらしい)だけれど他に原因があることもあるので安心できない。

自分の身体の事だけれど自分の意思でどうにも出来ず。何も心配のない毎日に戻りたい(コロナ含め)


瞳孔を開く点眼薬を入れられていたので夕方近くまで白くぼやけた世界にいてうちに帰ってもソファに転がり、鬱々としていた。夕方元に戻ってきたので夕食を作る。友達にたくさんトマトをいただいたので消費メニュー。ほうれん草のカレー。トマトもだけれどほうれん草を山ほど入れる。もしかしたらカレー食べるのめちゃくちゃ久しぶりだ。骨折ってから初めてだ。


*映画

幸福路のチー


*読了本

大岡信折々のうたを語る」


*読んでいた本

エリザベス・ストラウト「オリーブ・キタリッジの生活」



本の読み方

昨日は体調が悪くて1日うだうだとしていた。映画も観なかったし、家人と大河の再放送「太平記」や新しい大河の「青天を突け」を観たり。やっぱり最初って子供時代で子役の子が出てくるのがなんともかったるいなあなんて思いながら観ていた。あと最初に家康公が、毎回出てくるとしたらちょっとなあ…面白くなるかどうか、とりあえずひと月は観てみようと思う。


昨日は朝から頭が重くて、スーパーに家人と買い物に出かけてレジ待ちをしている時にいきなり飛蚊症になってしまった。糸のようなものが視界を漂い何をするにも邪魔をして集中出来ない。右目の視力も極端に悪くなったみたいだしどうにか自力で外出できる様になったので明日は眼科に行くことにしょう。


色んな人の本の読み方って気になる。色々とそんな本も(本の読み方自体の)読んで見たけれど中々うまくいかない。読書ノートなるものも何回かチャレンジしたけれど続いた試しがなし。

そういえば豊崎由美さんの付箋とか使った読み方みたいなのを読んだ覚えがあるなあと思って検索してみて読んで見た。1巡目に気になるところに赤線を引き、2巡目に付箋を貼り、3巡目にメモを取る。3回も作品を読むと言うところに驚かされる。書評を書くという事はそこまで作品を読み込まなければならないという事なのか。

それで直接本にラインを引いたり、書き込んだり、そう言えばEテレの「趣味どきっ 本の道しるべ」で見たなと思って録画しておいた橋本麻里さんの回を見直してみた。この回は新しい橋本邸が見れて本当にうっとりする。そして橋本さんの旦那さんて山本貴光さんだったんだと今更ながら気づく。山本さんが本に直接書き込んでいるシーン。

そう言えば読書本で大好きなのが松岡正剛の「多読術」と言うちくまプリマー新書なのだけれどもこれにも本に直接書き込みをしていた様な。


書き込みがあと思う。書き込むとなるともちろん自分で買った本になるし、読み終わったあとブックオフには引き取ってもらえないな。

けれど、あ、ここは!と思ったところを後で見つけられる様には出来たらなと思う。


とりあえず、付箋を。


今日観た「ファミリー・ツリー」地味ながら中々良かった。しかしながら自分がお母さんの立場だったら、自分の人生って と思う。それは映画を観ている時に気がつかなかった事。



*映画

ファミリー・ツリー

この茫漠たる荒野で


どんな一日だった

退院してから早速映画を毎日観ている。こんなに毎日見始めたのはコロナで外出がままならなくなってからアップリンクの見放題プランを勢いで申し込んでしまってテレビで見たくてファイヤースティックを買った。それからだと思う。 入院期間中2ヶ月を、経てまた観る生活を送っている。


観た作品はFilmarksに記録していて作品ごとにスコアが付けられる様になっていて


4.5以上 物凄く好き。DVDで欲しい

4以上 好き、とても面白かった

3.8以上 面白かった

3.5 普通

3以下 自分には合わなかった


と言う感じを基準に着けている。4以上映画を観れた日はずーんと満足だ。そして今日観た「希望の灯り」は4.2だった。

物語はドイツが東西統一された後の旧東ドイツの巨大スーパーが舞台のそこに勤める人達の物語。淡々とその様子が綴られていてこれってどこの街にもあるようなそんな風景だなと思わされる。そこにさざなみの様な出来事も起こるんだけど。

それで、今日この作品の中で印象に残ったシーンがあって、彼が仕事帰りに乗ったバスでの運転手との会話


どんな一日だった


いい日だった

そっちは


同じく


この会話を聞いた時にどんな風に感じれたか。こんな会話を出来る関係が素敵だなとも思ったのももちろんあるけれど、なんでもない一日を いい日だった と言える瞬間。それが良いなと感じた。一日の終わりにそんな風に思いたい。

バスという事で「パターソン」を思い出した。「パターソン」もアダムドライバー演じるバス運転の日々を淡々と綴った映画で物凄く好きな映画だ。


今日は色々と荷物が届いた。

CD 

ゴート・ガール「オン・オール・フォーズ」

クラップ・ユア・ハンズ・セイヤー「ニュー・ブラジラティ」


「MONKEY vol.23」

庄野潤三「世をへだてて」

ガルシア・マルケス「わが悲しき娼婦たちの思い出」

早助よう子「恋する少年十字軍」


新刊ですあったり、古書であったり。菊地信義の映画を観たのがきっかけで装丁をじっくりとチェック。カバーをめくってみたり、紙を撫でてみたり。庄野潤三のは講談社文芸文庫で装丁は菊地信義と水戸部功だ。

今月はちょっと買いすぎ。後はちょっと我慢しないとなあ。


*映画

希望の灯り


*読んでいた本

伊藤亜紗ヴァレリー芸術と身体の哲学」

大岡信「折々の歌を語る」

松本清張「日本の黒い霧下」

エリザベス・ストラウト「オリーブ・キタリッジの生活」


*聴いていた音楽

ゴート・ガール「オン・オール・フォーズ」



推し、燃ゆ を読む

芥川賞の「推し、燃ゆ」を昨日買った文藝春秋で一気読みする。

あたし と言う言葉にちょっと違和感を感じながら、そして10代の少女の生きにくさ、どんどんアイドル?にのめり込んでゆく感じにこちらは少しの息苦しさを感じながら。家族でいることのしんどさがずんと伝わってきてその場面がリアルだった。 ラストが良かった。感情がぶちまかれる様で。上手いなあ。


読みながらこんなにも「推し」に自分の全てを重ねて生きるなんてもうそれって自分が自分じゃないの?どうなの?って思ったりしたけど、いや、それはそれでその人の生き方なんだろうと思ってみたり。

一日の全てが「推し」の事だけど考えている。って言うのも実は分からなくもない。

こんなに生活の全てとかではないけれど何個かのバンドを追いかけていたり(追っかけですね)していた自分なので。頭の中の何%かはそのバンドの事を考えていた時期があった。あの感覚。日記を遡れば殆どがライブの感想ではないか(汗)


ところで「文藝春秋」島田雅彦のお料理のコーナーなんて記事があって面白いなーと思った。早速今夜の夕食に一品取り入れてみた。

タコ、鰤のお刺身、アボガドを梅干し、塩昆布、オリーブオイルで和えたもの。美味しかったー。

それと「オリーブ・キタリッジの生活」を読み始めたけれど凄くいいな。いいな、いいなと思いながら読む。


*映画

影踏み

ザ・コンサルタント


*読んでいた本

文藝春秋3月号 宇佐美りん「推し、燃ゆ」

伊藤亜紗ヴァレリー芸術と身体の哲学」

エリザベス・ストラウト「オリーブ・キタリッジの生活」

ヤマシタトモコ「違国日記」