文藝春秋を買いに行く
文藝春秋を近くのコンビニに買いに行く。家から10分くらい、いや、普通に歩けば10分かからない。退院後、今月に入ってから車で近くのスーパーまで行き買い物をするというのはぼちぼち始めていたけれど、今日は自宅から直接出発して歩道を通り、道路を渡ってコンビニまで歩いて行った。少しだけ坂道だけどなんとか歩いて行って来れた。やっぱり何かの拍子にどこかで躓いて足首を捻る恐怖があるけれど徐々に普通に歩ける様になりたい。
「文藝春秋」は普段は買わない。芥川賞発表の特集の時だけコンビニで立ち読みする(すみません) 立ち読みするのは選評で、どの人がどんな風に述べているのかが気になるからだ。あ、この人がそんなに褒めているのなら読んでみようかなって思ったりする。でもここ何年も読んでないし、文芸誌も全然チェックしてないので新しい作家について全く知らない。むしろ、選評している作家の方々で時代が止まってしまってる私の純文作家達。
それで最後に「文藝春秋」買ったのは又吉さんが芥川賞取った時かな。
けれど今回はちゃんと買って家でしっかりと選評読みたいなと思って買って帰ってきた。
川上さんの選評の
小説家たちは、「今この時」を書く。
からの部分にちょっと感動する。
誰がどの作品を推したのかもっとはっきり知りたいがふわんとオブラートに包まれた感じ、なんとなく推測する。奥泉さんの選評から「推し、燃ゆ」に表が集まったのが想像される。
相変わらず、山田さんの語り口はスパッとしていて面白い。堀江先生の選評(毎回堀江先生の言葉を読みたくて立ち読みしてしまう)それで結局誰を推したのか分からないけれど堀江先生の文章はそれだけでなんか 堀江敏幸の言葉 なのでやっぱりいいな、とか思う。
今回、皆さんの選評を読んで興味を持ったのは砂川文次「小隊」これはちょっと読んでみたい。乗代雄介「旅する練習」はKindleの中に入っていて読まれるのを待っている。
そして皆さんの推した「推し、燃ゆ」もこのまま続けて読んでみようと思う。
*映画
奇蹟がくれた数式
*読んでいた本
エリザベス・ストラウト「オリーヴ・キタリッジの生活」
柿内正午「プルーストを読む生活」
「プルーストを読む生活」を読んだ。
まさに「プルーストを読む生活」を読む生活だった。
今確認してみると1月20日にAmazonから配送されてたみたいだ。この分厚さなので箱に入っていた。箱を開けて取り出した本の佇まいも良かった。帯に
プルーストを読んで
どうなるというのですか?
プルーストを読んでいると
楽しいです。
そんだけ!
て書いてあった。早速その日から読み始めて今日読み終わった。最初は他の本と一緒に少しずつ読んでいたけれどここ数日はこの本を集中して読んだ。
プルーストを読む とあるけれどそんなに「失われた時を求めて」について書かれているかと言うとそうでもなくてむしろ他の読まれた本の方についての方が書かれてもいる。けれど一定してずっと「失われた時を求めて」があってそれを読んでいる著者の日々が続いている。
そしてその日々を淡々と読んでいる自分。
日記本の何が良いと言うとこうして淡々と読めるところじゃないかな。始まりと終わりがはっきりとない続いていく日々をぼんやりと読むことの至福。
この人まだ気圧で具合が悪くなってるなあとか夏休みの延々と続く人文系の書籍からの引用は正直辛いなぁとか(笑)
そう、人文系の本は今まで自分に馴染みがないのでやはり自分にとっては難しくて読んでいて頭までいかず、目を流れるだけと言うことも多々あった。けれど、あ、これはちょっと読んでみたいかもと思われる本もあって楽しい。
巻末に この日記の時期に読まれていた本 が載せられていてこれはちょっと読んでみたいなと思うものをぽちぽちと拾っていきたい。11月に大島弓子「バナナブブレッドのプディング」があった。私が初めて読んだ大島弓子作品なので嬉しい。本文には出てこなかったけれど。
そして、そして、いちばん日記を読んでいて影響を受けてしまったこと
またこうやって日記を書き始めたこと。
人の日記を読むとやっぱり日記を書きたくなってしまう。そして書いてみるとやっぱり楽しい。 この本を読み終わってしまったので 自分の中の 日記を書くモード が続くかちょっと不安。
柿内さんの日記はその後はてなブログ、そして
WordPress へと続いているので読んでいこうと思う。
そうなんだよね、はてなブログは広告が鬱陶しい。広告なしにするにはお金が結構かかるし。
けれどnoteは全然自分に合いそうにない。
*映画
ブラインドスポッティング
* 読了本
柿内正午「プルーストを読む生活」
カルテットの季節
先週はアマゾンプライムでドラマの「カルテット」を観ていた。リアルタイムで放送された時は1話は見逃して2話から全部観ていたと思う。意外などんでん返しみたいなストーリーに2回ええー!となって驚いた。
それからビデオにとってあるよと言う人の家で一気に観て、しばらくしてその後にdtvでまた一気見した。
退院してしばらく外には出てなくて、ああ窓の外は冬だなと思ってまた突然「カルテット」が観たくなった。ちょうどアマゾンプライムで無料で観れた。毎日1.、2話観ていった。
何が惹かれるかと言うと話の展開も良いのだけれどやっぱり舞台が冬の軽井沢ってところだと思う。第1話では地元スーパーのツルヤで演奏するシーンが出てくるし、大賀ホールも出てくる。これってあの辺かなと思いながら観るのも楽しい。 そして男女4人で軽井沢の別荘にシェアして暮らしている形も憧れる。あんな風に一度暮らしてみたかったな。後、ああ言う役の松田龍平が好きだ。
脚本が坂本裕二でやっぱりセリフが素晴らしい。面白かったり、深かったり、微妙な感情何出ていたり。
ドラマもセリフも好きすぎるのでTwitterでTBSドラマ「カルテット」botをフォローしている。
ひゅっひゅっとスクロールしていく画面でこのbotが出てくると一休みするようにゆっくりと読む。もちろん思い入れのある方の呟きはしっかり読むけれどbotでふっと一息ついて読むのってカルテットbotと八木重吉botと仏像botだろうか。
このbotを小さな詩集の様な本にして欲しいくらいだ。 そして毎回すずめちゃんの
わたしの好きな人には〜
が出てくるとじんわりと泣きそうになる。
ところで今回わたしがこのドラマを観ていたら歌人が途中から面白いと一緒に見始めた。
あの、クドカンの出てくるまきさん夫婦の出会いからの回、はじめて見た時にとてもずしんと来た回、「このダンナさんおかしいよー」が家人の感想だった。うん、そうだね、そうなんだけどこんな気持ちも分かるんだけどなと思った。まさに夫婦であっても思うこと感じ方は違うって事だなと思った。
こんなに好きなドラマなのでDVDが欲しいところですがアマゾンで14000円越え。放送された時に録画しておくんだったなあ。
と言う事で、ユリイカの2月号が坂本裕二特集だったので買ってしまった。
*映画
ヘアスプレー
時の面影
*読んでいた本
柿内正午「プルーストを読む生活」
主役でもあり、脇役でもあり
「麒麟がくる」何終わってしまった。ここ数年の大河では一番良かったと思う。「真田丸」も良かったけれど人と人が対峙する熱量が終盤に近づくにつれて大きくなってきて毎回食い入るように見た。
オリジナルの登場人物のお駒さんの恋物語的な回が何回もあって、それもまあいいんだけどこれじゃあなんだか明智光秀じゃなくお駒さんが主人声の物語みたいだなと何回も思ってしまった。
そう思うと今回の大河は主人公以外の人物がまるで主人公のように描かれている回が何回もあってそれは道三しかり、義昭しかり、そして信長しかり。
明智光秀と言う人物がそうさせているのか、横にいて常に見守る立場の光秀と言う印象が強い。様々な人の脇役であったんだなとも思う。
そんなことを色々考えていると自分は自分にとっては主役だけれど他の人にとっては自分は脇役なんだなと思った。当たり前のことをだけれど。
終わり方は良かったですね。秀吉にうたれる姿は見たくないなと思っていたから。そして希望につながるような終わり方も自分は良かった。
番外編、あるだろうか?観たいけれどもし満足いくものじゃなかったら観たくない。この熱量のままの番外編を希望。
今日は「ある画家の数奇な運命」という映画を午後に観たんだけれど、これが3時間の映画だった。3時間てやっぱり長い…午後の時間がごっそり飛んだような(笑) 余裕のある時じゃなければ観れないなと思った。覚悟がいりますよね。
*映画
フォーリング少女たちのめざめ
A.I
ある画家の数奇な運命
*読んでいた本
柿内正午「プルーストを読む生活」
*音楽
Anna B Savage「A Common Turn」
フランシス・マクドーマンが気になる
ドラマ版「オリーブ・キタリッジ」を見終わる。全部で4話。今日
残りの2話を一気に見た。話としてはやっぱり1話の衝撃が大きかった。本当になんとも言えない絶妙なあの中年夫婦の距離感の表し方。2話の鬱病を患って故郷に戻ってくる元教え子の青年の話も良かった。だんだんとオリーブと息子の親子関係の問題も出てくる。全4話でキタリッジ夫婦の20年あまりの夫婦生活を描いているんだけど本当によく描けているなあと、ああ、分かるーと感じる部分がたくさん。この微妙な感じがたまらなく好きだ。やっぱり原作を読みたくなってポチったしまった。どうしても「オリーブ・キタリッジの生活」が積読本の山から見つからないので。そして「オリーブ・キタリッジの生活」と「オリーブ・キタリッジふたたび」を一気に読みたい。今読んでる本を休憩しても読んでしまいたい。今を逃すと今度は2冊まとめて積読の山にのまれてしまいそう。
それにしてもオリーブ・キタリッジ役を演じたフランシス・マクドーマンて凄いなあと。これがもし他の俳優が演じていたらここまで入り込めたかなと思ってしまう。もうまさにオリーブ・キタリッジそのままの人なんじゃないかと思ってしまうくらい。たぶんにこの間見た「スリー・ビルボード」からのいんしょうも引きずっていたりするからと言うのもあるけれど。こう言う女の人を演じさせたらピカイチですね。こんな人が家族や周りにいたらたまったもんじゃないと思うのだけれどこの自分の性質を自分でどうにもできないと言う歯痒さ、悲しさが伝わってくる。だけどこの性質がこの人そのもの。
フランシス・マクドーマンと言う女優さんにとてもやられてしまったので彼女の過去作をもっと観てみたい。マット・デイモン主演の「プロミスランド」は脇役でしたが味のある役だった。こんなにイライラした女の人じゃなかった(笑)
新作の「ノマドランド」はぜひ観たいけれどこの辺の映画館では絶対やらないだろうから配信とかで観れる様になるには随分先になるんだろうな。
*映画
ずっとお城で暮らしてる
存在のない子供達
*読んでいた本
柿内正午「プルーストを読む生活」
松本清張「日本の黒い霧 下」
*音楽
SHUTTLES「I HEARD YOU BREATHING」
Anna B Savage「A Common Turn」
文芸誌を買う
愛でられる本
午前中に映画を2本観た。
2本目に観た「むすんで ひらいて」は装丁家、菊地信義を追ったドキュメンタリー映画。
観ているだけでワクワクが止まらない。本好きの人なら多分とても楽しい映画だろうと思った。普段は見ることの出来ない本作りの行程、装丁される過程。
菊地氏の装丁は独特のタイポグラフィが印象的。文字のデザイン、並び、余白が素晴らしい。古井由吉さんの作品や若松英輔さんの作品の装丁の過程などが出てきて、思わず実物が見たい、触りたいと思って古井さんの本をポチってしまった。
若松さんの「イエス伝」も欲しかったが若松さんの著作でまだ読んでない所有本があるので我慢した。
古井由吉さんがインタビューを受けていて
「ただ読めばいいという機能になるか、本という「もの」を大事にするか」
と語られていた。
本の収納の限界を迎えている我が家、Kindleで読めるものはKindleで読もうと思っていたりしていたんだけどやはり「もの」としての本ていいんだよなあ。あー、なんか庭にプレハブの図書室を持てたらどんなに良いだろう(絶対反対されるし無理だろう)
愛でられるものとしての本。
ものとしての本を必要とする人が居てのものとしての本。
菊地氏が語られていた「他者がないと人は存在しない」に繋がっていく。
公式サイトで名久井直子さんが初めて出会った菊地氏の装丁は「昭和文学全集」だとコメントされていた。本棚から一冊引っ張り出してきた。確かに菊地さんの装丁ですね。
毎月やりくりして買い揃えたのが懐かしい。もちろん全然読めてないですが(汗)老後の楽しみになんで思ってたけどこれ3段組なんだよな。老眼にはなかなかキツい。だけどもっと進む前にそろそろ読んでいこうかな。
オリーブキタリッジのドラマ、2話も面白かった。凄い好き。
*映画
リトル・ジョー
つつんで ひらいて
*今日読んでいた本
柿本正午「プルーストを読む生活」
大岡信「折々の歌を語る」