愛でられる本
午前中に映画を2本観た。
2本目に観た「むすんで ひらいて」は装丁家、菊地信義を追ったドキュメンタリー映画。
観ているだけでワクワクが止まらない。本好きの人なら多分とても楽しい映画だろうと思った。普段は見ることの出来ない本作りの行程、装丁される過程。
菊地氏の装丁は独特のタイポグラフィが印象的。文字のデザイン、並び、余白が素晴らしい。古井由吉さんの作品や若松英輔さんの作品の装丁の過程などが出てきて、思わず実物が見たい、触りたいと思って古井さんの本をポチってしまった。
若松さんの「イエス伝」も欲しかったが若松さんの著作でまだ読んでない所有本があるので我慢した。
古井由吉さんがインタビューを受けていて
「ただ読めばいいという機能になるか、本という「もの」を大事にするか」
と語られていた。
本の収納の限界を迎えている我が家、Kindleで読めるものはKindleで読もうと思っていたりしていたんだけどやはり「もの」としての本ていいんだよなあ。あー、なんか庭にプレハブの図書室を持てたらどんなに良いだろう(絶対反対されるし無理だろう)
愛でられるものとしての本。
ものとしての本を必要とする人が居てのものとしての本。
菊地氏が語られていた「他者がないと人は存在しない」に繋がっていく。
公式サイトで名久井直子さんが初めて出会った菊地氏の装丁は「昭和文学全集」だとコメントされていた。本棚から一冊引っ張り出してきた。確かに菊地さんの装丁ですね。
毎月やりくりして買い揃えたのが懐かしい。もちろん全然読めてないですが(汗)老後の楽しみになんで思ってたけどこれ3段組なんだよな。老眼にはなかなかキツい。だけどもっと進む前にそろそろ読んでいこうかな。
オリーブキタリッジのドラマ、2話も面白かった。凄い好き。
*映画
リトル・ジョー
つつんで ひらいて
*今日読んでいた本
柿本正午「プルーストを読む生活」
大岡信「折々の歌を語る」