「ミルクマン」をやっと読んだ。図書館で借りて延長して途中で読まなかったら一日2ページくらいしか読まなかったり。
名もない18歳の少女が主人公でその独白の形で物語が進んでいくけれどとにかく文章が長く延々と語られている感じでそこにうまく乗れたら良いがそうでなければ文面だけつらつらと目で追うだけになりまたもや戻って読み直すということになってしまったりした。
あらすじ等は河出のサイトで詳しく書かれている
衝撃の一文から始まるブッカー賞受賞作『ミルクマン』。謎の牛乳配達人はテロリストなのか?|Web河出
アイルランドのこと、なんとなく薄ぼんやりと思い浮かべてみたりするがあまりわかっていない。この置かれている状況に関しては訳者の方の後書きで説明されている。と共に作者のアンナ・パーンズの言葉も載せられている
だがバーンズ自身は『ミルクマン』の舞台が北アイルランド問題で疲弊するベルファストであることを何度か否定している。たとえば『ガーディアン』紙では、設定を北アイルランドに限定せず、抑圧的な条件下にある、全体主義的で閉鎖的な社会であれば、どこででも起こりうる物語として読んでほしい、と語った。(二〇一八年十月十七日、バーンズへのインタビューより)
p385 訳者あとがき
確かにこの物語の中に流れる空気は抑圧されていて閉鎖的でそしてお互いがお互いを監視する様な社会だ。そしてそこからはみ出たものは変人として弾き出される。その個性的な様々な変人さんもこの物語の魅力をあげている。
そんな社会の中で生きている一人の18歳の女の子、この生きにくさの中で自分は自分であることとして生きている姿が描かれている。彼女の味方になって寄り添ってくれる人はいるのだろうか。心を頼みにしているメイビーBF。彼との関係の結末はちょっと衝撃だった。
こんな社会の中に生きていれば誰もが少しずつおかしくなってしまうのではないだろうか。だってすぐ隣に裏切りと死があるのだから。
最後に少しだけ彼女は息苦しさから解放される。この先がどんな風になるのかは分からないが。
そして ミルクマン という人物は一体どの様な存在、意味を持たせてあるんだろうと考える。
この物語で一番好きな場面はフランス語の授業で夕焼けを見る場面。そこは本当に唯一?ロマンティックな場面だった。
*映画
朝が来る
*本棚(読了本)
アンナ・バーンズ 「ミルクマン」