オカヤイズミ「いいとしを」
オカヤイズミさんの漫画「いいとしを」を読む。オカヤさんとの出会いは(出会いというか知ったのは)仙台に行った時本屋さんで見つけたハンカチだった。もしかしたら昔の日記に書いたかもしれない。果物と文人と言うハンカチで文人の周りに果物が描かれている。文人の絵は結構リアルなのに色と周りの果物でとてもキュートな感じだ。分かる人と分からない人がいる。分からない人が一体誰なのかいつか突き止めたい。勿体無いのであまり使わない。谷崎や百間先生で汗を拭けない。
それで知ったオカヤさんだけど作品を読むのは「ものするひと」の1巻を読んでいらい。ツイッターで流れてきた情報で新刊が出たのを知った。母親の死がきっかけで実家に戻ってきたバツイチの42歳の息子と元教師の72歳の父親。面白かったのは42歳の息子の感じてることや視線など。42歳くらいの男の人ってこう言う感じなんだと思った。結構自分の親のことを客観的に見てるんだなとか母親が死んだこと、実家に帰って戻ることを恋人にわざわざ話すことをしないんだとか。実際こんなふうに淡々と暮らしているのかもしれない。
親のことを愛情深く気遣いしたり、自分の生活を生き生きとさせなきゃとか、いい人でいて慎ましく生きなきゃとか、本当にはない幻想を演じているんじゃないのか自分はとふと思ってしまわせるものがあった。
あと、父親と息子ってこう言う感じなんだと思って新鮮だった。淡々とした交流が読んでいて心地よい。
まあでもオカヤさんの作風がこうなのかもしれない。ギラギラした中年男性も多いだろうし。
今日観た映画「シンク・オア・スイム」が素晴らしかった。こちらはおじさんたちのウォーターボーイズと言う内容。色々問題を抱えているおじさんたちがシンクロ(今はなんて呼び方なんだったか)で大会に出る話でコメディタッチでもあるし哀愁もあるしで最後は少しうるっともした。
なんだかおじさんの一日だった。
*映画
シンク・オア・スイム イチかバチか俺たちの夢
愚行録
*本棚
オカヤイヅミ「いいとしを」
*読んでいた本
穂村弘「あの人と短歌」
パウリーナ・フローレス「恥さらし」