藤沢周「さだめ」
男の人ってこういう感じで女を見てるのか〜って藤沢周の小説を読むといつも思ってしまう。けして女の人にはない感覚?あ、でもある種の女の人にはこういう感覚あるのかな?
けっこうきわどいシーンが出てくるんだけど、たとえば電車で読んでたらちょっと見えないように傾けてしまうような(今回舞台がAV業界だし)でもなんか藤沢周の小説が好きだ。落ちて行く感覚が好きなのかな。
女の子の住んでいる土地のにおいや風や、アパートの生活感。巨人女の木(柳の葉が揺れる様が目に浮かぶ)
「早く佑子を降ろして、東中野のマンションに戻り、プロ野球ニュースで試合の結果でも見ながらビールを飲みたかったのだ。」とても現実的、日常的。
「希望・・・・?いい言葉だ。いい言葉だが、世の中が消滅しない限り、そんなものは出てこない。佑子、正気を保て。あるいは、狂気を保て。どちらかしかないだろう?」
結局、この男は最後の結末を覚悟しながら期待さえしながらそれを受け入れたのかな。
- 作者: 藤沢周
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2006/01/06
- メディア: 文庫
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