戯言スクラップブック

また日記を書き始めました。読んだ本や聴いた音楽など CD棚 https://kankoto.hatenadiary.jp/ 

本棚

百年文庫「涯」

「涯」という文字に惹かれて購入。あとパヴァーゼの作品が入っていたので。自分が感じる「涯」という文字の世界とは少し印象が異なっている作品だった。パヴァーゼの「流刑地」はそうだったけれど。「流刑地」はなんと言うのかとらわれた思いから逃れられな…

丸谷本2冊

丸谷才一「文学のレッスン」 「袖のボタン」 最近まで丸谷才一の面白さがまったくわからなかった。今も難しい部分があってはたして半分も理解できているのかどうか分からないけど、その分からないなりに読むのがぐんと楽しくなってきてしまった。古典とか詩…

角田光代「マザコン」

ひさしぶりに角田さんの短編を読みたいーと思って購入。やっぱり、さすが上手いなあと思ってしまう。このもやもやしたような微妙な気持ちを表現する上手さ!。 自分自身を振り返れば母親との間に重たいものは本当にまったくといっていいほどなくて、それは多…

芳崎せいむ「鞄図書館」

東京駅の、京葉線に行く方にある本屋さんで買った。ここに面白いコーナーがあって時々ここで本を買う。これは漫画。私も鞄の中の図書館に行ってみたい、紐をつけてもらって。やっぱり早く海底二万里を読まなくちゃ。" title="鞄図書館">鞄図書館作者: 芳崎せ…

木村榮一 「ラテンアメリカ十大小説」

読んでいる間とても楽しくて紹介されてる作品全部読みたくなってしまった。ラテンアメリカ小説ブームの時にまったくそこを通らなかった自分、読んだらきっと歯が立たなくて理解できない作品も多いと思うけれど、とにかくこの本を読むと読みたくなってしまう…

堀江敏幸「なずな」

「なずな」少しずつ読んで読み終わった。友達が一日で読んだと言うのを聞いてびっくり。今回はけっこうなスローペースで読んだ。最初からあれ?なんだかいつもの堀江さんの作品とはちょっと違うなあと思った。より生活が描かれていると言うのか・・・・・な…

池澤夏樹の世界文学リミックス

帰りのバスで一気読み。他に読みかけの本がいっぱいあるのに。「夕刊フジ」で連載されたコラムをまとめたものでとても分かりやすく書かれている。けどちょっと物足りなくてやっぱり完全版読んだほうがよかったかな。 でも色々と読んでみたい物にも出会わせて…

クラウト・エヴィング商会「おかしな本棚」

この間もこの本のことをちょこっと書いたけれどとにかく読んで、眺めて、というのが楽しくて、楽しくてというよりわくわくしてしょうがなかった。この感じって・・・と考えたら植草甚一の本を読んでいる時のような感じだった。実際この中にも植草甚一の本は…

橋口幸子「珈琲とエクレアと詩人」

詩人の北村太郎と縁があった著者が書きとめた北村太郎の思い出。北村太郎の事はなんとなく知っているけれど「光りが射してくる」はもう何年も前に購入したもののまだ読んでいないし、田村隆一とその妻とをめぐる話の「荒地の恋」も読んでいない。でもここに…

百年文庫 「川」

織田作之助「蛍」 日影丈吉「吉備津の釜」 室生犀星 「津の国人」 どの短編もはじめて読む作品だった。 織田作之助の「螢」は正直言ってこの3作の中で一番ピンとこなくてそれはちょっと悔しいので再読しようと思う。芯の強い苦労する女の人と駄目男と言うのは…

小川国夫「夕波帖」

大分前に買っていて出番を待っていた本。随筆集と言うことで、小説以外の小川国夫を読むのは初めて。最初の耳をすますという随筆にはいつも彼の小説を読んでいる時のような揺らぎのような空気があって凄くいいなと思ったけれど、後は藤枝での思い出であった…

百年文庫 「野」

表紙の羊の版画にひかれて購入。はじめて読む作家ばかり。収録作品はツルゲーネフ「ベージンの野」 ドーデー「星」 シラー「誇りを汚された犯罪者」 恥ずかしながらツルゲーネフを読むのははじめてだった。そしてまさかこんなに風景の描写というのか自然の描…

よしもとばなな「もりだくさんすぎ」

帰りのバスで読了。ばななさんの2010年は本当に忙しくめまぐるしくすぎていった感じ。それにしてもやっぱり自分なんかの日常とは全然違う日常だなと思う。全然違う世界に生きてる人だとう思う。それが羨ましいとかそういうことではなくて選ばれた人だと…

豊崎由美「ニッポンの書評」

おととい名古屋で購入して一気に読んでしまった。豊崎社長の勧める本は読んでみたくなる。ああ、この人の勧める物は大丈夫という人が何人かいるけれど豊崎社長もその一人で、そしてまったく知らない未知な本に出合わせてくれる人だ。書評を読んでるだけでワ…

小池昌代編「通勤電車でよむ詩集」

これもすこし前に読み終わった本。小池さんが電車の中で読む詩を選んだ詩のアンソロジー。 時々こうやって1遍の詩に向かい合うと言うのはまた違った時間を過ごすと言う事だと思った。小説や、その他のものをよむ時とは違った空間。他の人の書いた言葉が自分…

レイモンドカーヴァー「ビギナーズ (村上春樹翻訳ライブラリー)」

『愛について語るときに我々の語ること』は編集者が原稿を大胆に改変した作品集だった―。完全オリジナル原稿発掘により、本来の姿を復元。背景を詳しく解説する訳者あとがきと資料も収録。素朴にしてふくよか、胸を打つ17篇。 と言う事で、作者本人が本当の…

オルガトカルチュク「昼の家、夜の家」

地震が起こる前から読み始めて間に他の本を読んだりしたが読み終わった。地震の日12時間バスに閉じ込められてただひたすらこの本を読んでいたのを思い出す。小さな物語であったり、回想であったり、隣人の観察であったり、キノコ料理のレシピであったり、…

銀色 夏生「しげちゃん田んぼに立つ   続々「ばらとおむつ」」  

感想後でしげちゃん田んぼに立つ 続々「ばらとおむつ」 (角川文庫)作者: 銀色 夏生出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)発売日: 2011/02/25メディア: 文庫 クリック: 31回この商品を含むブログ (11件) を見る

「〈建築〉としてのブックガイド」

こういう本を紹介する本が好きでついつい買ってしまう。そうしてこれも読みたいあれも読みたいと考えるのが楽しい。 一冊のブックガイドに〈建築〉というコンセプトを与え、全体を【玄関】【リビング】【キッチン】【寝室】【子供部屋】など、全部で二十七の…

絲山秋子「妻の超然」

国分寺でこの3日間で読んでしまった。いや、ほぼ昨日1日で読んでしまった。とても面白かった。 浮気夫を持った年上の妻の「妻の超然」、下戸の男の人の「下戸の超然」そしてこれはもしかして絲山さん本人のことではないだろうか「作家の超然」の3作。絲山…

吉行淳之介選「純愛小説名作選」

古本市で100円で買った一冊。吉行淳之介選というのにも惹かれたし執筆者にも惹かれた。「純愛」と書かれているけれど、清らかな心打つようなそういう「純愛」ではない。けっこうどろどろしていたり、男女の駆け引きみたいなものがあったり、ずるさもあっ…

西村賢太「苦役列車」

こちらも文藝春秋3月号で読んだ。面白かった。はじめて西村作品を読んだけれど意外にカラッとしていて楽しんで読んだ。書かれている内容はたぶんしんどい内容であるのだけれどそ何故かユーモアをも感じさせてくれた。ユーモアなどと冗談じゃないと怒られそ…

朝吹真理子「きことわ」

はじめての朝吹作品。単行本ではなく文芸春秋の芥川賞掲載号で読む。そう言えば前にライブハウスで知り合いの人が流跡を読んでいてその作品が堀江さんが選考したドゥマゴ文学賞を受賞したことを知って気になっていたのだった。今、読み終わった後もずっと心…

村上春樹「雑文集」

この間でたインタビュー集につづいて今度は雑文集かあ・・・・と一瞬なんかなあと思ってしまった。なんでもかんでも村上春樹ものなら売れるんだし・・・と天邪鬼な気持ちになったけれどやっぱり買ってしまったし、読んでしまったし悔しい(笑)それに面白か…

穴 (百年文庫)

百年文庫の「穴」を読む。百年文庫は「日本と世界の文豪による名短編を漢字一文字の趣に合わせて一冊に編むアンソロジー」。上京した時に1冊ずつ集めて時々読んでいる。 今回の「穴」に収録されているのはカフカ/山下肇・山下萬里訳『断食芸人』 長谷川四…

町田康「どつぼ超然」

町田本を読んでると頭の中が町田調になっている。気がつくと善哉善哉と何気なく頭の中で呟いていたりする。脈絡なくずんずんと発っせられていく思考。帯に書いてあるとおりまさに「爆発する自意識」だ。しかし、人間てこんな風に頭の中で超然としゃべくりま…

北村薫 宮部みゆき編「とっておき名短編」

蜂飼耳さんの「ほたるいかに触る」と川上弘美さんの「運命の恋人」がとても良かった。2編とも多分載っている本は持っていて読んでいるはずなのに思い出せない。とくに「運命の恋人」は読んでいてうっとりとしてしまった。このアンソロジーに入ってる状態で…

北村薫・宮部みゆき編「名短編ほりだしもの」

既刊されてるお二人にの選による「名短編、ここにあり」と「名短編、さらにあり」というちくま文庫のアンソロジーがとても素晴らしくて今回のこちらもとても楽しみにしていた。でもその2冊と比べると今回はそんなに直接にがんとこなかったかもしれない。今…

百年文庫39 「幻」

収録作品は 川端康成「白い満月」,ヴァージニア・ウルフ「壁の染み」,尾崎翠 「途上にて」 川端康成の作品はそんなに読んでないけれど久々にその作品を読んでやっぱりこの人って変な人だ、ちょっと変態だって思ってしまった。どこがと言われると困るけれど・…

いしいしんじ「アルプスと猫」

今年一冊目の読了本。新潮文庫で出しているいしいしんじのごはん日記シリーズの3冊目だ。 いしいさんの独特の文章に最初とまどってしまうけど馴染んでしまうと心地よくさらさらと読めてしまう。極寒の冬の松本…丁度山を隔てたくらいの場所に住んでいるのでそ…