堀江敏幸「おぱらばん」
移動用に文庫本になった「おぱらばん」を選んだ。どういうわけかつい最近まで題名を「おばらぼん」だと思っていた(笑)堀江さんは大好きだけれど作品を全部読んでいるわけではなくて、まだ読んでない作品があるというのはこれからまだ読むものがあると思うと嬉しかったりする。堀江さんの文章はゆっくりじっくりと楽しんで読む。この作品集もうまいなあと感心しながら読んだ。文庫本には新しいエッセイと書かれていたけれど、エッセイとも短編とも取れる作品集で、これは本当にあった話なのか、創作なのかとか思ってみたり。いつものように物語の中に色んな小説などについての話が入れ子のように入っているのだけれどそこがまた堀江作品を読む楽しみでもあるよなと思う。まさかほげたさんが出てくるとは思わなかったけど。「床屋嫌いのパンセ」には笑ってしまった。堀江さんの顔を思い浮かべながら「茹で卵の上部に焼きのりでも貼り付けたような顔」を想像してしまった。
しかし堀江さんの作品を読むとなんともいえない幸福感に満たされる。素敵なものでいっぱいになる。
- 作者: 堀江敏幸
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2009/03/02
- メディア: 文庫
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