カーソン・マッカラーズ「結婚式のメンバー」

村上春樹柴田元幸が「もう一度読みたい」という10冊を選んで新訳・復刊するシリーズ、しかも新潮文庫で。これはもう嬉しいかぎりと言うことで・・・・最初に手に取った1冊。マッカラーズは今まで読んだことがなかった。

時代も、国も、人種も、状況も違うはずなのにこの12歳の夏の日々に自分も生きているような錯覚に捕らわれる。自分の中に芽生えたもやもやした自我をどうすることも出来ない。思い込みは信じる希望。これは少年ではなくてやはり少女なのだ。
誰もが通過する思春期の物語・・・・と言ってしまえばそうなのだろうけれどきっといつまでたってもその少女の憤り、悲しみ、焦燥感が自分の中に残っている。この小説を読むことで確かにそのことに気づかされる。

それにしてもなんて美しい文章だろう。

緑色をした気の触れた夏のできごとで、フランキーはその時十二歳だった。


最初のこの一文章でため息がでるようにやられてしまいました。

結婚式のメンバー (新潮文庫)

結婚式のメンバー (新潮文庫)