ロベルト・ボラーニョ「野生の探偵たち」

 途中で停滞したり、他の本に浮気したりでけっこう読むのに時間がかかってしまったけれどここ数日で下巻を一気読みした。そして読んだあとの満足感、充実感、やっぱり長編を読み通したときのこの感じはいいなあと思う。

内容(「BOOK」データベースより)
 1975年の大晦日、二人の若い詩人アルトゥーロ・ベラーノとウリセス・リマは、1920年代に実在したとされる謎の女流詩人セサレア・ティナヘーロの足跡をたどって、メキシコ北部の砂漠に旅立つ。出発までのいきさつを物語るのは、二人が率いる前衛詩人グループに加わったある少年の日記。そしてその旅の行方を知る手がかりとなるのは、総勢五十三名に及ぶさまざまな人物へのインタビューである。彼らは一体どこへ向かい、何を目にすることになったのか。

 感想を書こうと思ってもうまくなにを書けばよいやらわからないけど本当にともかく面白かったなあと言う事。主人公は二人の若い詩人であるけれどもけして彼らが語っているのではなくて彼らを取り巻く人々の言葉によって彼らの奇跡が語られている。でも人々の話は彼らのことだけではなくその人自身の物語になっていてそこが独立した物語のように浮かび上がってきて面白かった。時々誰かの部分をふと読み返すことも出来るような感じ。
 頭の中にずっと自分がつくりあげた南米の風景、アフリカの風景を思い浮かべながらたぶん自分だけの鮮やかな風景。そして最後のシーンとかまるで映画のようだ。なんかあっけなかったけど美しかったな。時間がまただい3章でまき戻されるのも良かった。ちょっとしたミステリーでもありハードボイルドでもあった。けっきょく自分は「はらわたリアリズム」が何なのかあんまりよくわからなかったけど(笑)


 

野生の探偵たち〈上〉 (エクス・リブリス)

野生の探偵たち〈上〉 (エクス・リブリス)

野生の探偵たち〈下〉 (エクス・リブリス)

野生の探偵たち〈下〉 (エクス・リブリス)