堀江敏幸「いつか王子駅で」4冊目

 旅のお供にもって行った。独特の堀江さんの文章に魅了されちゃったよ。主人公と荒川の路面電車が走る街に住む人達との日常が美しい言葉で描かれているんだけど途中に色んな文学作品の話が出てきていきおいその作品の評論のような文章になってて世界がトリップする。その混ざり具合が絶妙。そこに住む人達の姿形しぐさがなんだか美しい。女将さんの指先とか・・・・。中学生の女の子がまた元気良くて可愛くて、最後風を切って走るところの描写が気持ちよかった。
 なんだか、ああ、って思う文章もあちらこちらに出てきてうなってしまった。

普段どおりにしていることがいつのまにか向上につながるような心のありよう、ということになる。いつもと変わらないでいるってのはな、そう大儀なことじゃあないんだ、変わらないでいたことが結果としてえらく前向きだったと後からわかってくるような暮らしを送るのが難しいんでな、

いつか王子駅で (新潮文庫)

いつか王子駅で (新潮文庫)