ジョン・アーヴイング「神秘大通り」

何年かぶりに読んだアーヴィング。やっぱりめちゃくちゃ面白かった。
本屋で見かけるたびに買おうかどうしようか迷っていましたが図書館に入らないかなあと様子をうかがっていた。でも待てど暮らせど入らない。図書館の本てどういう基準で選んでるんだろうな。それでとうとうリクエストしてしまった。リクエストするのは初めてだ。なんとなく申し訳ないような(自分で買えって話ですが)自分以外読む人が誰もいなかったらどうしようなどと思ってみたり。

そして、ちょうど年末に入荷のお知らせ。お正月からどっぷりアーヴイングの世界に浸ってしまった。物凄く沢山の登場人物(犬や動物にさえ名前で書かれていて)、誰が誰かを認識するだけで大変だった。
物語はメキシコ出身の作家の今と少年の頃の過去とを行ったり来たりする。それも章ごとではなくて彼の意識がふっと過去に時間に飛ぶのだ。それぞれに魅力的な人物がたくさん登場し、主人公を引き取ることになるカップルが特に良かったなあ。そして最大の謎が主人公を誘惑する魅力的な親子。何者なのか最後まで分からなかった。彼女たちの存在が意味するものはなんなのか。天使なのか悪魔なのか彼を終着点に導く案内人なのか。本当の終盤の終盤の行動も私にとっては謎。
そして、多分物語にとっては重要である宗教的な背景も自分にはよく分からなかったのも残念。
でも愚かであっても滑稽であっても人間っぽさが魅力的で生きるパワーを感じさせてくれる。とともにすぐそばにある死についても思いをはせさせてくれる物語だった。

神秘大通り (上)

神秘大通り (上)

神秘大通り (下)

神秘大通り (下)