能町みねこ「お家賃ですけど」

この間地元の本屋さんに行った時に見つけてその表紙の写真と題名にひかれて買ってしまった。
 著者の事をまったく知らなくて読んでいたので最初の「平成十四年」春の最後の方まで読んでえっ!とびっくりしてしまった。
 この本は彼女が暮らす事になった加寿子さんというおばあちゃんが大家さんをやっている加寿子荘での暮らしの様子や加寿子荘のある神楽坂の町や加寿子さん、その他のおばあちゃん達のはなしが綴られている。私をえっ!と驚かせた話については多分他の著書でくわしく書かれているのだろう。

 するすると読めるかなと思っていたら思いのほか文章にクセがあって読みにくかったりした。なんだろう・・・・読ませることを目的にしたプロの文章じゃなくてもっと思うままつづられた感じ。まるで誰かのブログを読むような・・・そしてその文章にかえって親近感を覚える。ああ、こういうこと思うよなという物事、そんなあるんだけどあんまり書かれないような微妙なきもちの動きとか(書かれたとしても旨く考えられて文章になっているだろう)がするっと綴られていていいなあと思った。

 夜、加寿子荘の自部屋の机の前でパソコンをいじっているときに、隅に置いてたアクセサリー入れに指を引っかけて落としてしまって、ネックレスやピアスや大量のヘヤピンなどが畳の上にぶちまかれてさんざんな状態だ。
 こういうときって、そのまま数分ほうっておいて、そしたら、なにかが熟成されて、そのことによってもしかしたらさっきのはなかったことにならないだろうか?って必ず思う。しかし、なかったことになったことは一度もありません。そして、一層やるせないきもちで拾うことになります。
 でも、熟成してみる。


お家賃ですけど

お家賃ですけど