橋本治「蝶のゆくえ」

 この間お風呂に入りながら「考える人」の「短編小説を読もう号」をぱらぱら再読してると(雑誌をよくお風呂で読みます。)橋本治高橋源一郎の対談があってそこに「蝶のゆくえ」のことが出てきたので読んでみた。
 
 橋本治の短編を読むのは初めて。それでちょっとはっとさせられたと言うのか・・・・意外だったと言うのか・・・こういうのを書く人なのか〜と意外になりながら読んだ。
 
 最初の1編目の「ふらんだーすの犬」だけはちょっとしんどかった。幼児虐待の話なので・・・・。世の中にはだけどこういう人達って確実にいるんだろうなと思った。普段仕事しててもお客さんの中にこういう人っていると思う。荒んでるというのとも違う・・とても投げやりで・・・考えてない人たち。考えることさえだるい人たち。それを感じるからとてもこの話が怖かった。
 その他の話はちょっと笑ってしまったり、じっくりと思い浮かべたりさせられていいなあと思った。

「男の二十六は若くて、どうして女の二十六は若くないんだ」と思ったら、なおのこと、白いご飯が食べたくなった。

「自分の中にはドロドロがない。なさすぎてかえって、ジタバタしていたー」
 十九の娘でしかないアオイは、母親が恋しいと思いたくて、残念ながら恋しいとは思えなかった。

とてもうまいなあと感心してしまった。そうしてここに出てくる話達に家族のという繋がり、関係を考えさせられた。夫婦であったり親子であったり、普通の人たちの中に。ドラマチックでもなく幻想的でもなく、多分皆が感じるような気持ちの揺れだ。

蝶のゆくえ (集英社文庫)

蝶のゆくえ (集英社文庫)