田村隆一「詩人のノート」

 バスの中にて読了。講談社文芸文庫は高い(関係ないけど・・・・)二十歳前後の時に現代詩にはまってた時があって学校の図書館であれもこれも読んでいたなあと思い出す。多分田村隆一の詩も読んでいたと思うけれどきちんとした記憶はない。だけど「詩人のノート」という題名はインプットされていて講談社文芸文庫でこれを見つけたときはすすっと買ってしまった。
 しばらく積読山脈の一層になっていたんだけど、今年に入ってまたちょっとづつ詩というものが気になってきてしまい、この間岩波文庫で「西脇順三郎詩集」と「金子光晴詩集」を買ってしまった。そしてこの本が目に付いて山脈から掘り出してきたのだった。この「詩人のノート」には西脇順三郎金子光晴の詩がのっている。田村隆一自身の詩も。他に知ってる詩人、知らない詩人の詩。それらの詩が冒頭に、もしくは文章の中間に。その詩から広がっていく情景。その詩が書かれた時の情景。言葉が連なっていく。

 胸に残ったのは田村隆一が戦争という時代を経験してきた人間という事。「腐刻画」という詩に書かれた文章。
この「詩人のノート」が書かれたのは1974秋〜1975夏。これを読みながらその時代の空気を嗅ぎ取ろうとしてみる。最後の「青い十字架」で村野四郎、金子光晴、壺井繁冶、そして父親が亡くなったと書かれている。そうしてそれを書いていた田村隆一ももうこの世にはいないんだなあ・・・・。

詩人のノート (講談社文芸文庫)

詩人のノート (講談社文芸文庫)