内田百輭 「サラサーテの盤」

やっとこさ読みました・・・・。これがあるがためにミョ〜に読書のペースが延滞。 でもこれがなんかスラスラとは読ませてくれない本なんです。
そんなに特別に難しい文体で書かれてる訳ではないんだけどなんかうっかりしてそうで何回も同じところを読み返したりして・・・・。しかも三島由紀夫も書いてるとうり 「少しも難しい観念的な言葉使いなどをしていないのに大へんな気むずかしさで言葉をえらび、こう書けばこう受けるとわかってる表現をすべて捨てて、いささかの甘さも自己陶酔も許容せず、しかもこれしかないという、究極の正確さをただニュアンスのみで暗示している」そんな文章。極上のご馳走を少しずつ味わいながら食べたという感じかも。
 しかしここに出てくる話はどれもこれも現実ばなれしてて幻想的な世界が展開してるのに妙に自分のうしろに・・・そこにだれかいそうな恐ろしさみたいなものを感じさせる。それだけ感覚的でそのせかいの空気が読んでいる自分のまわりをとりまいてしまう。なんかぞっとしたり、奇妙だったりするんだけど東京の昭和10年代の美しさがあちらこちらにちりばめられていて本当ため息。
 これはちくま文庫内田百輭集の中の一冊。全12冊をそろえてすこしづつかれの文章をじっくりとあじわってみたい。

サラサーテの盤―内田百けん集成〈4〉 (ちくま文庫)

サラサーテの盤―内田百けん集成〈4〉 (ちくま文庫)


2003/04/30