戯言スクラップブック

また日記を書き始めました。読んだ本や聴いた音楽など CD棚 https://kankoto.hatenadiary.jp/ 

奈良で一日過ごす

f:id:kankoto:20210314055028j:image

8時過ぎにホテルを出て病院へ。混むかもしれないと聞いていたので朝一番で診察券を出しに行った。外科専門の割とこじんまりした病院だから総合病院の様な混雑はない。待合からリハビリ室の方が見えて何回かお世話になった療法士さんが通るのが見えて懐かしくなった。声をかけたかったけれど朝の慌ただしい時間、そしてコロナの事もあり、自分が利用するエリア以外に足を踏み入れるのは躊躇されてやめておいた。

思っていたより早く呼ばれてレントゲンを取り、診察へ。2ヶ月少しぶりに主治医の先生の診察。レントゲンの写真を見せてもらい順調と説明されてほっとする。もう装具も家の中では完全に外して良いとのこと。外も徐々に外して歩いて、坂道なんかも歩くようにとの事。前に曲がらない足首、もっと頑張って曲げる練習をとの事。先生の言葉に明るい気持ちになる。次は5月に。プレートを抜く手術をするかしないか、するなら予約やあれこれをその時にしなくてはならない。それまでにもっと曲がるように頑張って練習してと宿題を出される。

 

入院中同室だった人がふたり、同じ場所、向かい側にいた人だけれど時期がかぶってない。今日はお二人ともリハビリに来ると言うので会うことになった。早く診察が終わってしまったので待合で庄野潤三の「世をへだてて」を読みながら待つ。脳内出血で倒れた後の入院生活の事などが記された作品。入院していた病院でこの本を読んでいるのがちょっと不思議な気持ち。

それぞれの方に無事に会えて短い時間だけれど話ができて良かった。入院中、素顔しか知らなくて服もほとんどパジャマしか知らなかったので日常の普段のこの人は、ああこう言う感じなんだなあと感じられて新鮮だった。それとともにある時間毎日一緒に過ごした人が同士のように感じる。そして退院してもそれぞれまだまだ完全じゃないし本当に少しずつ暮らしていく中での回復なんだなと思う。

 

午後、母親と妹が来てくれて家人と4人で昼食。ホテルのランチを食べに行ったが、案内されてびっくり、結構な人だ。そしてどのテーブルもマダム達だった。全くコロナ禍という事を感じさせられない、そんな事を言ってる自分達も同じだけれど。

食後は皆んなで奈良公園や奈良町を散策した。診察の結果が良かったのでどんどん歩いた。凄く歩いたなと思ったらたったの6000歩だったので少しがっかりしたが。階段だけはやっぱりキツくて(下りが特に)杖がないとまだまだ無理だなと思う。

鹿とも戯れる事ができたしとにかく暖かく良い陽気だったのでとても気持ちが良かった。最後に興福寺に行き国宝館を見る。天平時代の八部衆立像などが展示されている最後のコーナーはやっぱり素晴らしい。お土産コーナーで母が阿修羅像のストラップを買ってくれた(笑)

 

*読んでいた本

庄野潤三「世をへだてて」

 

f:id:kankoto:20210314063148j:image