母国語
去年から読んでいた「アコーディオン弾きの息子」をやっと読み終えた。
入院中、宅配で妹の家に送る様に注文して妹に病院まで持ってきてもらった。2ヶ月間やる事がなくて本を読んでいた。今数えたら2ヶ月間で19冊読んでいた。入院生活最後に手をつけたのが「アコーディオン弾きの息子」だ。1/3ほど読んだ所で退院して家に戻ってからしばらく放置して今月半ばからまた再開して読んだ。だから若干のこの人誰だっけ状態になったりした。
物語はスペインとフランスの間のバスク地方に暮らす2人の少年から始まる。 このバスク地方とスペインの近代の歴史のことを全く知らない自分はうまく物語を捉えきれていなかったかもしれない。
スペイン内戦〜フランコ独裁政権〜そしてバスクの分離独立を目指す過激組織の活動。この組織は2018年に解散とあるからついこの間の事だし今現在もある問題なのだろう。
その歴史に寄り添う様に話が進んでいき、色んな登場人物が絡んでくる。個性的な人物たちがたくさん出てきての長い物語、560ページにも及ぶ。
この物語の主人公がこだわったのはバスク語と言う母国語だ。バスク語で物語を綴る事。バスク語を次の世代に伝えていく事。
言語というのは話される人、伝えられていく人がいなければ無くなったいくものなのだと気付かされた。戦争に支配によっていく度も自分の出自の言葉を話すことを奪われるという事があった。
今自分が使っている日本語と言う言語にも想いを馳せてみる。
この物語がバスク語から翻訳された事に感謝。
*映画
世界中がアイ・ラヴ・ユー
フェリチタ!
*読了本
ベルナルド・アチャガ「アコーディオン弾きの息子」