柴崎友香「寝ても覚めても」
家の中に読んでいない本が一体どのくらいあるだろう。家の中にある本で自分の本のうち未読本は多分全体の7割は超えるのでは。と考えると恐ろしい限りです。これらの本を自分は死ぬまでに読めるのだろうか。
買わなきゃいいとわかっていても本は出会いだからその時に買っておかなくちゃとやはり買ってしまう。
しばらく前から図書館で本を借りるのをやめた。バカみたいに借りても返却日までに読めないし、とにかく家の中の本たちを読もうと決めたのだ。
そして
二度と読まないんだろうなあと思う本は処分することに決めた。もう一度読みたいと思うものだけを残すことに決めた。
前置きが長くなった。寝ても覚めてもは単行本でうちの本棚でずっと読まれずにいた本の一冊。柴崎作品は多分今日の出来事?を読んで以来の2冊目。
最初なかなか物語の中に入って行けず、なんとなく自分が弾かれている感覚に陥ってしまった。文章のせいだろうか。それとも登場人物達のちょっとおしゃれな雰囲気からだろうか。物語を読み進めるにつれ寝ても覚めてもと言う題名はまさに寝ても覚めてもだなと思った。
人を好きになること。自分の中の好きと言う感情を自分で居場所を作って確認して膨らませていく感じ。自分で自分に納得させる感じ、正当化させるあの感じ。ちょっと思い出した。
けれども好きになる相手として出てくる2人の男性の感情が自分には全くわからなかった。あの流れるようにくっついたり離れたり。それとも男の人の恋愛ってああいうものか。執着がない。主人公の最後の最後のあれもわからないではない。ひょっとしたら誰でもああいう行動をしてしまうかもしれない。
まるでDVDを早送りしていくような時間の流れ、プツプツと。間に挟まれている写真のような風景、瞬間。
多分これが自分には読みにくくさせているのだろう。と思うとともにこれが他にない味わいになっているなあと思った。
ところでこの作品は映画化されてとても評判がいいみたいなので見てみたい。東出くんが相手役と言うのが自分の中ではしっくりこないが映画を見たらぴったりなのかもしれないですね。
あと柴崎さんの作品去年出たのも一冊未読で買ってあるのでそちらも読んでみようと思います。