竹取物語/伊勢物語/堤中納言物語/土左日記/更級日記 (池澤夏樹=個人編集 日本文学全集03)
竹取物語 森見登美彦 訳
伊勢物語 川上弘美 訳
堤中納言物語 中島京子 訳
土左日記 堀江敏幸 訳
更級日記 江國香織 訳
今を時めく?作家たちによる現代語訳。読みやすかったので無事に読み終えることが出来ました。もちろん原文では読むこと出来ないけれど現代語訳でも名前は知っていても読んだことのない作品ばかりだったのでこうして読むことが出来て良かった。ユーモアがあって面白かったのは堤中納言物語 。読み物として面白い。現代語訳だけでなく現代に時代を移してアレンジしても面白くなるだろうなと思った。
しかしそこはやはり原作に忠実にと言うのがあったのだろうか?各作家だからという特徴そんなに表立ってはわからない感じ。森見風竹取物語とか読んでみたいとも思うけれど(笑)
土左日記は本文の日記よりも「貫之による緒言」の方に心惹かれました
扱った人物はすべて私の一部であり、分身なのだ。(中略)そのなかに分け入り、ひとりひとりに接近して、同化する。しかるのちに、後ろにしりぞく。またあるときは、遠く離れた場所に立ってぜんたいを客観視する。
P352
日記と言いながらフィクションで様々な人物になって歌を詠みんだけどいちいち(本当は私なんですけどね)とあるのがちょっとうっとおしいなあなんて(笑)そして本当は亡くなっていない子供の事をなぜここまで嘆き悲しむというフィクションを語ってるんだろう思ってたら「貫之による結言」でその理由はわかるんだけど。
「伊勢物語」の男がいた。の男が在原業平ひとりのことを指しているというのも驚いたし、「更級日記」の主人公が源氏物語にあこがれて恋に恋する乙女状態だったのはこれは今も昔も変わらないんだなとか面白かった。