戯言スクラップブック

また日記を書き始めました。読んだ本や聴いた音楽など CD棚 https://kankoto.hatenadiary.jp/ 

JOJO広重の裁判@渋谷アップリンクファクトリー

 JOJOさんの裁判を見にアップリンクに行ってきました。普通のトークショーとはまた違った形ですごく面白かった!裁判長の野田さんと検事訳の美川さんがドンピシャだった(笑)可笑しくていっぱい笑ったけどその中でじんわりと響いてくる言葉がたくさんあった。

『非常階段 A STORY OF THE KING OF NOISE』で語られなかった部分がまだまだあってそこを聞けると言うのでこれはぜひともきいてみたいと思って行ったのだけど裁判形式っていったいどんな感じになるのか最初ぜんぜん想像がつかなかった。 出演者が登場してまず最初に裁判長の野間さんの掛け声で会場の全員が起立させられた(笑)そこからまるでちょっとしたお芝居を見るような感覚で、お客さんはまさに傍聴する人たちといった感じ。

 検察官の美川さんが罪状を読み上げ罪状はステージでの暴虐ぶりとブログなどで見せるいい人ぶりがかい離していて世間に混乱をせしめていると言うもの(笑)検察側と弁護側のそれぞれの証人とJOJOさんとのトークと言う形式で行われたんだけれど証人の皆さんが見事にJOJOさんのペースに巻き込まれ(美川さんの言葉によるとまるめこまれ)ていくのが面白かった。最後の検察側証人の小野島さんまで最後の方はうなずく感じだったし。やっぱり今日出てる人がJOJOさんのことを好きなんだなあというのが伝わってきた。

 それぞれの対談のなかでは恋の話や占いの話、そして奥さんのジュンコさんの話、そして何故30年間ノイズ音楽をやり続けているのかと言う話まで本当に盛り沢山な濃い内容になったしJOJOさんという人間を色んな角度から探る事にもなった。奥さんのジュンコさんのオープンカーのエピソードは、ああ素敵な夫婦だなあと思った。日野繭子さんとの自分がしらない断易の話も興味深かった。
 色んな面を持っているJOJOさんだけれどもそこは意識して色んなキャラクターを意識して演じているところもあるそうだ。ドーナツの穴は食べる前は存在してるけど食べた後は存在しない。ノイズ、物の見方を変える可能性に役に立っている、音の向こう側にあるもの。

 そして最後の小野島さんとの対談は深いものになっていった。
「何故ノイズをやり始めたのか、やり続けているのか、そのモチベーションのありか」そこを突き詰めて聞いてくれた。
 そして答えは10代の頃、30年前に完成されたものをずっとやっている、それは自分の想像をこえるような音楽になっていく面白さ、聞いてる側が違うように受け止めるおもしろさがあるからだと言う事。
 そこで小野島さん、「まともな人間ではないコンプレックスのある中でノイズを自分に投影して他人との違いを満たしてくれる、そのノイズを一般化してしまったJOJOさんの犯した罪」ということで追求。そこからの話に自分はどきりとさせられてしまったし、力も貰った。

 固定観念であの頃は良かったとからに閉じこもる事。だけどそれじゃつまらない、見方を変えるともっともっと面白いことが出来る、色々な見方があれば広がるし変わるということ。
 ここはまさに今自分が鬱々と考えている事であってとらわれて絡まって行き場のない部分でもあって、今日この話を聞いたことによってなにかああ見方が変えられるかなと思ったし変えられるきっかけになると思った。
「その時にしかないもの、見えないもの、体験できないもの、見逃しては駄目だよ。たくさん行って、たくさん見て」と、この言葉にも力をもらった。ああ、また日々色んな音楽を聞きに行こう。

 最後に野間さんの出した判決は懲役56億7千万年と言うもの(笑)控訴されたので2回目もあるかな?是非お願いします。