ぼくを探しに
台風が近づいているからか朝の空がちがった。風がときおりひゅっと吹いたり日に照らされた雲の色とか。
虫君は今日も鳴いていた(笑)ちょっとほっとする。
シルヴァシュタインの「おおきな木」が新しく村上春樹訳で出るというので話題になっている。特設コーナーを設ける書店もあるようだ。そのニュースを聞いてちょっとだけ・・・・・嫌だなと思ってしまった。えっと・・・・私は村上春樹ファンです。村上春樹は好きだけれど・・・・・そして「おおきな木」を翻訳するのならそれは彼がそれを翻訳したいという何物かの意思の表れなんだともちろん思うのでそこにどうこう言うつもりもないしその訳された文章ももちろん読んでみたい。ただ何でもかんでも村上春樹がかかわってるから売れるというのが・・・・売れるという風潮、そのムードがちょっと嫌だ。なんかひねくれてますよね。
でもこれをきっかけにこの「おおきな木」を手に取る人が増えればそれでいいのかな。本田錦一郎さんの訳はたしかにちょっと時代を感じさせるけれどそこが良いと思う。
で、シルヴァシュタインと言えば大好きな絵本があってそれが「ぼくを探しに」。なんとなく時々ひろげて読んでしまう。出合ったのは多分倉多江美さんの漫画のどこかの場面でこの絵本の事が出てきたのがきっかけだったと思う。あらすじを言ってしまうとつまらないので書かないけれどこれは人によっても読んでる時によっても色んな色んな読み方のできる本。
そしていつでも、自分のかけらを探している・・・・。それは一生かもしれない。その探している瞬間が自由で解放された時間なのかもしれない。
村上春樹が「1Q84」を出した時に誰かが60にもなって自分探しか・・・と言っていたけれど人は死ぬまでそうなんじゃないのか?答えの出ないものを探して生きているんじゃないのか。訳者の倉橋由美子さんのあとがきにちょっぴり答えのようなものが書かれていてドキッとした。今日あらためて読んで発見した。ふう・・・・。
「ぼくを探しに」は倉橋由美子訳のままがいい。

- 作者: シェル・シルヴァスタイン,Shel Silverstein,倉橋由美子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1979/04/12
- メディア: 単行本
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