戯言スクラップブック

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本の島をめぐる対話 vol.2 堀江敏幸×前田英樹×冨原眞弓トークイベント@青山ブックセンター本店内・カルチャーサロン青山


 バスにて上京。荷物をいったん国分寺に置きに行きそれから表参道へ。東京暑くて国分寺の行き来と表参道からのABCブックセンターまで歩いただけでもう汗だくのバテバテになってしまった。会場に入って座るも後から後から汗が流れてきて頭もぼーっとしてしまう。こんなに暑さに弱かったっけ。

 今回のトークイベントは堀江さんが出演されると言うので思わず申し込んでみたイベントだ。本の島なるものがどういうものだかはっきりと把握もしないままに。

惜しくも昨年逝去した編集者・津田新吾により作り出された本の世界=本の島 について、ゆかりの深い著者たちが語り合うトークイベントの第二弾です。かつて存在した「島々」を巡る言葉と言葉のあわいから、未来へと開かれたあたらしい「島々」の像がぼんやりと浮かび上がる、そんなスリリングな現場にぜひお立ち会いください。

本の島 Islands of Books
島と島とをつなぐようにして、星と星とをつなぐようにして、ゆたかに響きあう本の世界を夢見ること。文芸書や人文書の分野で、並外れた情熱と妥協のない審美眼をもって、人びとの記憶にのこる数々の本を世に送りつづけた編集者の故・津田新吾。かれの構想したインディペンデント・ブックレーベル、「本の島」。その夢を、書物の書き手、作り手、売り手、読み手がそれぞれの場所で創造的に受け継いでいきながら、あたらしい出版文化のありかたを模索する共同プロジェクトです。いざ、出航!

本の島のブログより

 トークの内容は昨年亡くなられた元青土社の編集者津田新吾氏との出会いや思い出や津田氏がつくりあげようとしていた世界のことなど。三者の話を通して津田新吾と言う人の人間像が浮かび上がる。こちら側はまったくあったことのない人だけれどどういう人物でどういうことをやろうとしていた人なのかを思い浮かべてしまう。今まで「本」というと作家と読者の双方のことしか考えなかったけれど、1冊の本が出来上がるには編集者なる人がどれだけ大きな存在だと言う事がわかった。
 こんな風に本の島という構想を持っていた津田氏、もっともっと広がる彼の「本の島」を見てみたかったな。

 それと同時に自分の中の「本の島」と言うものを思い浮かべてそれはとても楽しいものだった。編集者である彼のように自分の意思で持ってこの作者の書いたものを本という形にして世の中に出すなどと言う事は出来ないけれど、ああ、これは素敵だなと思う本を自分の海の中に浮かべる事は出来る。

 電子書籍についてどう思うかと問われた時の堀江さんの受け答えがとてもよかった。やっぱり「本」という愛しい形のものはなくならないと私も思う。

 今回の三氏は人柄も受け答えも三者三様でとても楽しかった。ユーモアがあっておおらかな前田氏、まじめな感じで丁寧な冨原氏、そして堀江さんはやはりスマートでああ堀江さんだと思ってしまった。

 トークショーに参加したお客さんに三角形の冊子が配られたんだけれど手作りでとても素晴らしいものだった。本の島に浮かぶヨットの帆のような・・・堀江さんの言うように次回まただい3回が開かれて今度はヨットのボートの部分の冊子を読んでみたい。