戯言スクラップブック

また日記を書き始めました。読んだ本や聴いた音楽など

干刈あがた「しずかにわたすこがねのゆびわ」

 そうしてその後読んだのが干刈あがたさんだった。これは最近古書店で買ったもの。干刈あがたを読むのがとても久しぶりのような気がする。昔結構好きでいろいろ読んでいた。それなのにこの小説を読んだ事があるのかどうかさえ忘れている。同じ会社で働く女の人たちの20代から40近くまでの物語で、いったい何時の時代の女の人たちのことなんだろうと思って考えると多分自分の母親の世代の人たちの物語だった。干刈さん自身も自分の母親よりも1歳年下だった。女の人が自由にひとりで生きていくことがとても難しいのは時代のせいだからか、それぞれの彼女達の考えとか背負ってるものとかがその下の世代の自分にはとても重苦しくて生真面目なような気がしてちょっとしんどかった。だけどこの時代の彼女達はこうやって苦しんだんだろうな・・・・。そしてそれを重苦しいと思う自分達の世代はこうやってその自分が生きていくことの思いを誰かに語ったりすることがない。

 今は仕事を続けていくことはしやすくなったのだろうけれど本質的な部分は何も変わっていないのかもしれない。抱えるものがより増えたともいえるかもしれない。もし干刈さんが今も生きていたとしたら今の女の人たちをどんな風に描いたんだろうと思う。

 林檎畑のシーンがよかった。