小川洋子編著「小川洋子の偏愛短編箱」
小川洋子さんが選んだ短編が16。そしてそれぞれに小川さんの解説と言うかエッセイがついている。内田百輭「件」 谷崎潤一郎「過酸化マンガン水の夢」武田百合子「藪塚ヘビセンター」 田辺聖子「雪の降るまで」は読んだことがあり小川さんがこの短編を選んだと言うことを何故か嬉しく思ってしまう。「藪塚ヘビセンター」は本当にいいよな〜めちゃくちゃいいよな〜と読みながらボーっとしてしまう。すぐにでも「遊覧日記」を読みたくなる。
読んだことのないものでは川端康成の「花のある写真」と向田邦子の「耳」にびっくりさせられた。川端康成はほとんど読んだことがなくてこんなに変な話を書く人なのかとびっくりしたし、耳の中年男の滑稽さにも驚かされた。でもなんだか身につまされる(汗)うわあ・・・・と思うけれどなんだか気持ちがわかる部分があったりして。
あと小川さんのエッセイで印象的だったのが昔かさぶたを集めていたという部分。
一編一編の短編を読み、小川さんのエッセイを読む。そうするともう全てが小川ワールドに包まれている。小川さんの作品ではないのだけれど。
島尾伸三の文章が悲しくて美しい。
- 作者: 小川洋子
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2009/03/11
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 10回
- この商品を含むブログ (30件) を見る