戯言スクラップブック

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佐野洋子「シズコさん」

 佐野さんの新刊この本と、「役にたたない日々」を本屋さんで手にとっては買うことが出来なかった。ページをめくると文章が迫ってくるので。で、週間ブックレビューでこの本が紹介された時にやっぱり読もうと思ったのだった。紹介した人は別だったけど感想を聞かれた時の桜庭一樹さんの表情が忘れられない。

 自分は、世の中の大部分の人は仮面をかぶっているのだろうかと思わせてしまう。自分は肉親にたいして愛情を持っていると思っているというベール?そういうものを全部剥ぎ取ったあとの赤裸々な感情がぶつかってきてとてもしんどかったりした。肉親の嫌なこういう部分、ああいう部分に対しての感情を覆い隠しているんじゃないかと。肉親であっても感情をぶつけることってやっぱり出来ないものだなあと思うのです。
 自分は?と思い考える。母親に対しては佐野さんのように思ったことはないといえる。だけど父親に対してはとても複雑な感情がある。

 この本はまだまだ自分の中では重い。ちょっとしんどくて、泣いたり出来なかった。

 

シズコさん

シズコさん