戯言スクラップブック

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金井美恵子「小説論」

小説論 読まれなくなった小説のために (朝日文庫 か 30-3)

小説論 読まれなくなった小説のために (朝日文庫 か 30-3)

20年前に講演されたものプラス対談2編。金井さんの文章を読みながら頭の中をかき回されているような気がする。自分の頭が足りないという意味ですが・・・・。何回か読み直してこれはこういうことなんだろうか?と考えてみたり(汗)
 相変わらず辛辣でかっこいい。かっこよくてあこがれるが絶対知り合いになりたくない人だと思う。

まだまだ読んだことのないものや、考えてなかった部分がありそこを折りながら読んだ。そして面白い!といちいち思うのだった。

 開高健の「耳の物語」の話から発する(この小説についてもバサリである)音と声のシンフォニーの章が面白かった。そして益々、やっぱり谷崎は読まなきゃなと思う。それから泉鏡花の文章が載せられていてその文章の素晴らしさにうっとりとする。泉鏡花は短大の時に読んだきりなのでまた読もうかな。

 それから2つの対談はひとつは「噂の娘」もうひとつは「快適生活研究」について話していてこの2作も読んでみたくなった。

その幾つものイメージというか、幾つもの記憶を、すべて読者にわかれと思っているわけじゃないんだけれども、ただ、無数の独見的な自分の記憶とか、持っているイメージというふうなものを組み合わせてというか、織りまざってしまうものなんですけれども、それを言葉に書くことが、すごく単純な言葉でいうと、何しろ好きで、それを書きたいから小説を書いているんだということに尽きちゃう感じなんです。