「転身」(文学界12月号)蜂飼耳「転身」(すばる12月号)
今年は文芸誌をもっと読もうと思い、まずは群像の1月号を単行本を読む間にちょこちょこ読んでいるんだけど「創作合評」でちょうど川上未映子の「乳と卵」が取り上げられていたので読もうと思って「乳と卵」と蜂飼さんの
「転身」を読んでみた。(もう1編取り上げられていた作品は群像12月号を買ってなかったので読めません)
川上未映子さんの「乳と卵」は今回の芥川賞の受賞作なんだけど・・・・すごく面白かった〜!独特な大阪弁のリズムに引き込まれてずんずん読んでしまった。思春期特有の大人になりたくないって気持ちをひさびさ思い出したし、母親のこっけいであるけれど生きてるって強さも伝わってきた。そしてやっぱり生活していくと言うことの悲しみとか・・・・。それから最後の親子で卵を頭に次々ぶつけるところも凄くよくわかる!ぷちんてはじける感情。絶対そうしてる自分を何やってるんだろうと冷静に見てる自分もいるけれど、どうすることも出来ない感情の波に飲み込まれてしまっている。
しかしこの作品て男の人は苦手だろうなとちょっと思った。生理のこととかリアルだし。あと関西人である自分にはすっと溶け込む文章だけどそうじやない人にとってはどうなんだろう?
「創作合評」で田中さんが樋口一葉へのオマージュって指摘してて、そうなのか!と関心してしまったけれど自分は小池昌代さんのようにすなおに感情的に読むほうがこの作品はたのしめると思う。
蜂飼さんの小説を読むのは初めて。こちらはちょっとてこずったな。どうして皆あっさりといなくなるのか?とか納得できなかったり、理解できなかったり。ただただ不思議な感覚をなぞるしか出来なかったような・・・・。この不思議な感じはいしいしんじさんの「みずうみ」を思い出した。
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