堀江敏幸「めぐらし屋」
続けて読んだ古川日出男の時間とはまったく別の時間が流れてた。
最初のページからああ、堀江さんの文章だ〜と思い、堀江さんの空気が流れる。それでゆっくりじっくり味わうように文章を読んでいたくなる。最初の雨の風景とか今日にぴったりではないですか。部屋の中で感じる湖?池?の光のさざ波とか思い浮かべるのがもうなんとも言えずうっとりする。
誰かがミステリーとも書いていたけどミステリーと言われればミステリーかもしれない。けど父がやっていためぐらし屋なるものの実態は私にはよくわからないままだったな。帯にかかれてたように「わからないことはわからないままでいい」って事なんだろう…。静かな流れに普通な話と思ってしまうけどよく考えたら変な話だよなあ。花に囲まれて眠りたい人の為に倉庫かりるとか…。
もう亡くなった父親の存在していた時間をなぞる旅?旅ではないけれど…父親って身内でありながら全然知らない男の人だ。と自分の父親を思い浮かべて思う。
蕗子さんが父親のアパートで過ごす時間が好きだ。
装丁も素敵、レモンイエロウ。
- 作者: 堀江敏幸
- 出版社/メーカー: 毎日新聞社
- 発売日: 2007/04/01
- メディア: 単行本
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