絲山秋子「ニート」
ってことで絲山さん。こちらも出てすぐ買ってたけど今日読んだ(笑)するする読めた。するする読めたけどめちゃめちゃいいよ、これ!駄目男好きにはたまらないものがある。働かないことをかたくなに選択する男に惚れちゃったらもうこうなっちゃうかもしれないよな・・・・。なんかそこにいる男の香りさえ漂ってきそう。家に帰れば男がいると言うことの幸福感と不幸感。そしてそれさえもが不安定で、いつかここを離れる時が来ると言うことの切なさ。「2+1」の独り言のようなつらつらと書かれる文章が異常によかったです〜。 個人的に・・・・こんな経験まったくないですけど・・・・・。
「へたれ」はなんか安心して読めた。へたれ男自身が主人公だからか?これが待ってる女の立場だったらたまらないかも。へたれ男のどっちつかずのって言うのか・・・ふわふわしたって言うのか・・・・へたれ加減さがいい!草野新平の詩も良かったし。名古屋で途中で降りちゃうくせに、待ってる女との将来のことをぼんやり想像しちゃってるいいかげんさもいい。
最後の「愛なんかいらねー」は・・・・スイマセン、生理的に受け付けません。どうしても・・・・読んでるだけで受け付けない。こういう行為はやっぱり理解できないや。この男もいや。
「ニート」って題名がどうかと言われてるけど・・・・なんか確信犯のような気がしてきた。あえてこの題名をつけたような気がする。本人はまったく気にしてないふうですが是非芥川賞をとって欲しい!これからがめちゃめちゃ楽しみな作家だな〜。
- 作者: 絲山秋子
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2005/10/29
- メディア: 単行本
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