戯言スクラップブック

また日記を書き始めました。読んだ本や聴いた音楽など CD棚 https://kankoto.hatenadiary.jp/ 

井上荒野「もう切るわ」

ふと見つけて買ってみたんです。文庫版だったし、ちょっと前「潤一」って作品が川上弘美さんの「ニシノユキヒコの恋と冒険」と比較されたりしててなんとなく井上荒野さんに興味があったので。(ニシノユキヒコ〜も買ってあるけどまだ読んでなかったりする。)
 で、最初とにかくなんだか読みにくいな〜と思ってしまった。突き放したように視点が変ったりして順序良く話についていけない気がしたのだ。なんだか・・・・あんまりかな・・・・自分の好みじゃないかな・・・・とか思いながら読み続けてたんですが
これがなかなか良かったです!話は下のアマゾンさんの内容紹介でも分かるように不治の病に侵された一人の男をめぐる妻と愛人の心模様なんだけど・・・・なんか純愛でもどろどろでもない淡々としているんだけどいろんな気持ちが書き込まれてるところがうまいな〜と思った。死に行く男はもちろんずるいんだけど女ふたりもずるいんです(笑)男を愛していて独占したいんだろうけど反面どうでもいい・・・みたいな空気もあって(これは私が思うだけかもしれないけど)ちゃんと次に対象となる人がいるところがずるいです(笑)
 実際の恋愛ってこんな風にすぎてゆくものかもしれないなとふと思ったのでした。
 井上荒野さんちょっと気に入ってしまったんで他の作品もいろいろ読んで見たいです。
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