志村ふくみ 若松英輔 「緋の舟 往復書簡」

染織家志村ふくみ、志批評家若松英輔の「すばる」で連載された往復書簡集。

 志村ふくみさんは名前は知っていたけれどきちんとその文章を読むのは初めて。図書館で見つけて借りてきた。
 おふたりの交わされる手紙の凛とした美しさに魅かれる。綴られる真摯な言葉、ひとつの物事に対して深く考える事の大切さ。そして人と作品がつながり広がっていくそれを読んでいるこちら側が知ることが出来るのも良かった。
 正直話されている内容、自分の読む力で理解できない部分も多かったけれど理解できなくても文章を読んでいるだけで頭の中が透き通っていくような、しんと静かな世界に佇んでいるようそんな気持ちになれた。
「鍵の海」というこの本の中で語られた関連する書籍からの引用文集も素晴らしかった。

日常ではっとするようなことがあれば、相手に伝えなくてはならない、と思う。会わないから、いのちある言葉を届けたいと願うようになる。

 若松英輔さんによるあとがきから

緋の舟

緋の舟