戯言スクラップブック

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David Bowie「Blackstar」

Blackstar発売日、ボウイの誕生日の1月8日はちょうど帰省中で帰宅してからじっくりとこの新譜を聴こうと思ったのだけれどどうしても我慢できなくてApple MusicでDLして聴いた。

一聴しただけでその素晴らしさを実感、ちょっと興奮してツイッターにつぶやいたほど。新しい年に出たデビッドボウイのアルバムが素晴らしくて幸福感に包まれた。新たな彼の活動に対する期待感でいっぱいだった。

だからわずか11日に彼の訃報を知った時のショックは計り知れない。

このアルバムに死の影を感じ取った人も結構いるみたいで読んでいる何件かのブログに訃報を知る前にそういう感想を書いてる人も何人かいた。
私はアルバム全体に強い物語性を感じた。彼の作品は何時だって物語性に満ちている。ボウイの創るその物語の中に自分は入っていく。
彼の作品は全く私の(わたくしの)日常とは交わらず、寄り添わない。それでいいのだ。彼は特別なのだ。
今回も彼の創ったBlackstarの世界に入り込んで魅了された。

1曲目のBlackstarからダークな幽幻な世界が広がっている。

発売前に今度のアルバムはジャズアルバムになると聴いていて、もしかして難しくてアバンギャルドな作品になるのかなと思ったのだけれど最初に聴いた時は全くそういう風に感じなかった。むしろとても聴きやすかった。
重ねて聴くうちにジャズミュージシャンを起用した事の素晴らしさに気づかされた。サックス?の演奏、ドラム、凄いなあ、でもちゃんと作品の中に突出せずにおさまっている。
ボウイの声は最初若干弱いかなと感じたけれどこのアルバムの世界の中で揺蕩うように響いている。

訃報を知った今でもこの作品を聴く喜びは変わらない。ある種の明るささえ感じてしまう、そこがボウイのポップさとスター性なのだろう。
I Can't Give Everything Awayを聴くと胸の中に満たされていくものがある。けれどこれが彼からの最後の言葉なのかなと思うと涙が滲んで来る。


Blackstar

Blackstar