「谷崎潤一郎 大正期短編集 金色の死」

谷崎の大正期に書かれたちょっと見落とされがちな短編を集めたちょっと珍しい短編集らしい。読んだ事があったのは「小さな王国」で、これはやっぱり不気味な子供に翻弄されていく教師の姿が面白い。と同時に本当にこの全てを支配している少年に憎しみさえ感じてしまう。「富美子の足」と「青い花」はその変態さ加減がおもしろかった。好きなのはやっぱり「母を恋うる記」で不気味にしんとして美しくて頭のなかに映像をうかべて読んだ。しかし「金色の死」の最後の部分が一番インパクトがあったかもしれない。まがい物の作り物のけばけばしいだけどユートピアを感じさせるそんな岡村君の芸術ランドを思い浮かべながら読んだ。

金色の死 (講談社文芸文庫)

金色の死 (講談社文芸文庫)