内田百けん 「サラサーテの盤―内田百けん集成〈4〉」

 東京日記が読みたくて読み始めた。東京日記は以前に何か違う文庫本だかで読んだけれど今回はちくま文庫内田百けん集成で。なので読んだ事のない作品もあって面白かった。後の三島由紀夫による解説にも出てきたけれど「菊の雨」という短い小品が素晴らしい・・・・。私の目の前でも菊が動いていくような感覚に陥った。
 
 百輭先生の作品を読むと百輭先生の世界に入ってしまう。百輭先生の世界ではすぐに空がかぶさってきたり生暖かい風が吹いてきたりする。息苦しいくせにヒヤッとさせられる。

 一番恐かったのは体育館だか講堂で盲目の琴の名人が感じる犬の気配だ。


サラサーテの盤―内田百けん集成〈4〉 (ちくま文庫)

サラサーテの盤―内田百けん集成〈4〉 (ちくま文庫)