オルガトカルチュク「昼の家、夜の家」

地震が起こる前から読み始めて間に他の本を読んだりしたが読み終わった。地震の日12時間バスに閉じ込められてただひたすらこの本を読んでいたのを思い出す。小さな物語であったり、回想であったり、隣人の観察であったり、キノコ料理のレシピであったり、神話であったり。物語が続いていると思ったら急にぷっつりと途切れたり、そうかと思うとまた出てきたり。繋がっているようで繋がっていない、本当にある街なのだろうけれど幻想のなかの街の様な気がする。時間も。その色んな空間に入り込んでぼんやりと惑わせられながら淡々と読んでいたような気がする。常に死の影があって、もう死んでいるのかもしれない死者の世界の中にいるのかもしれない。ああ、この人は蘇ってここにあらわれている。 鬘を作る老女はいったい何物だろうか。ハッとさせられる真実のような言葉。でもそれさえもこの世界の中に紛れ込んでいってしまう。
 後でこの本を手にとってときどきエピソードの一編を読みたい。その時この時期を思い出すだろう。

昼の家、夜の家 (エクス・リブリス)

昼の家、夜の家 (エクス・リブリス)