佐藤泰志「海炭市叙景」

佐藤泰志の作品を読みのははじめてかもしれない。海炭市という地方都市に生活する人たちの生活を切り取った短編からなっている。作者の突然の自死ということがなかったなら冬からはじまったこの物語は一巡して冬に戻ってくるはずだった。

やっぱり好きなのは一番初めの「まだ若い廃墟」で何処にも行く事の出来ない閉塞感と冬の雪のまぶしくて痛いような光にひかれる。「一滴のあこがれ」の少年もいいし、「まっとうな男」のかわった男もおかしいけれど切ない。

映画が上演されるみたいでどの話のどの人物を誰が演じるのかも興味深い。見にいけるといいな。  

海炭市叙景 (小学館文庫)

海炭市叙景 (小学館文庫)