堀江敏幸「一階でも二階でもない夜」

堀江さんの散文集「回送列車」の第2弾。

堀江さんの文章を読むのって極上の贅沢だなっていつも読みながら思ってしまう。堀江さんの文章によって一瞬にしてその切り取られた場所に連れていかれる。そしてそこはしんと静かである。けれどキラキラとしている。たとえそれが夜であっても雨であっても。
都市の児童公園、大学の図書館、はじめてはいった喫茶店、そんな日常の場所が途端に美しい空間として自分の頭の中に存在させられる。それは微かな記憶となって残るだろう…私の体験ではないのだけど。
そしてそんな空間の中に必ず堀江さんがひとりで佇ずんでいる。

一階でも二階でもない夜 - 回送電車II (中公文庫)

一階でも二階でもない夜 - 回送電車II (中公文庫)