ウルフ「灯台へ」

池澤夏樹個人編集世界文学全集の?-01の前半部分。鴻巣友季子さんによる新訳。
読む前はとても楽しみにしていたんだけど最初かなりてこずりました。際立った話の展開があるのでもなく、人物たち頭の中の考えている物事が次々と記されているのと、登場人物のひとりラムジー氏の奇抜な行動になにか唖然としてしまったのが主な原因だと思う。
途中、別の本に浮気しながらも読んでいくうちにしかしその気持ちが記されている部分が気持ち良くなってきた。とりとめないようでいて、人が考えることなんて本当にとりとめないことだ。そして外側から冷静に覗いてみれば滑稽だなと思う物事もある。その思考の揺らぎに翻弄されながらも突然きらっとささってくる部分があったりする。
物語が3部形式になっていてそのつなぎ方も見事だなーと思ってみたり。夫婦、家族、親子、女の生き方、色んな部分から見ることのできる小説。そういう部分に視点を置いて読んでみてもおもしろいかもしれない。でもやっぱり移りゆく人々の思考に翻弄されながら読むほうが気持ち良さそう。
男の人って慰められたい生きものなのかな?リリーが掴んだヴィジョンて何だろう。