橋本治「巡礼」新潮2月号

 読みました。なんか一気に読んでしまった、いや読まされてしまった。やっぱり橋本治って読ませるのがうまいなあと思う。「蝶のゆくえ」を読んで凄いなと思って気になる存在。人のきれいな部分だけじゃない部分もそのまま描かれてたりしてそしてそれがぐんぐんと動いていき、なんだかそれは運命というものなのだろうか?たとえばこの「巡礼」に出てくるごみ屋敷の持ち主の男、忠市はこういう風にしか生きていくことが出来なかったのだろうか?戦後すぐの時代と言うものも在るかもしれない。生まれた環境もあるかもしれない。だけれどもこうなっていく運命を変えることって出来ないのだろうかと読み終わって思った。
 あと最終的に何故忠市がごみを集め続け、ごみ屋敷の主となることになってしまったのか、ごみを集めることの意味合いとかがどうしてもわからなかった。読み方が浅いのかな・・・・。満たされない心、さみしさと埋めるためなんて簡単に思いたくない。それから近隣の住民達の憤り、特に隣人の主婦の憎悪。途中までじりじりと住宅街に吹き上がりような感情が描かれていたのに後半そこが、なんだかあまり描かれてないような気がして拍子抜けした。まあ、彼女自身がこの展開に拍子抜けしたのかもしれないけれど・・・・憎悪はどこに行ってしまったのだろう。
 最後の結末はこうなるだろうなとは思ったけれど、う〜ん・・・・という感じだった。最後の6行には考えさせられましたが。

新潮 2009年 02月号 [雑誌]

新潮 2009年 02月号 [雑誌]