桜庭一樹「ファミリーポートレート」

 読み始める前に桜庭さんのインタビューを立ち読みしてしまって(小説現代だったか?)アービングの「また会う日まで」に影響受けたと言う話がのっていて、そのせいで読みながらもついつい「また会う日まで」前半の母子の旅を思い浮かべてしまったりして、これはちょっとどうなんだろう〜とかも思った。でも面白かったけどね。ひとつひとつの土地が一編の短編のようだった。

 後半「また会う日まで」の主人公が幼い頃の訪れた土地をたずねたり、昔あった人に再会するようにこの物語にも前半の漂浪生活で出会った人たちがまた出てくるのかなと思ったらそうじゃなかったし、母ときっと最後再会するのかと思ったらそうじゃなかったし、母自体があの後どうなったのか明らかにされるのかと言うとされないし、そこは予測どおりには全然いかなかった。この間買った「IN★POCKET」にも桜庭さんのインタビューが載っていてもともとハードボイルド小説にしようと思っていたと言われていたけれど、そう思って考えてみればそういう風にも読めるな〜とも思い、そしてこれは家族小説でもある。この間読んだ「シズコさん」でもそうだし、ここで描かれてるマコとコモコの母娘もそうだけれど、母娘の感情がとても深く絡まりあってて、自分の事を思うとまったく淡白だな〜とか思ってしまう。娘とはこんなにも深く母の事を思うものなのだろうか。母親がどのような人間なのかとか全然考えたことないなあ・・・・ただ、ふんわりとした信頼感で結ばれていると安心しきっている自分なのだ。

 駒子は作家になるわけだけど物語の終盤に語られる、物を書くことに対しての駒子の言葉ひとつひとつが桜庭さんの言葉のように感じた。

ファミリーポートレイト

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