蜂飼耳「秘密のおこない」

 詩人の蜂飼耳さんの最新「文」集。蜂飼さんをはじめて知ったのは「流行通信」に連載されていた詩だった。静かにキーンとしている空気。

 短いエッセイや書評が載せられている。それを1編1編と読み進む。読んでいる自分の周りの空気もしんとする。そうして言葉をひとつひとつと味わう。

 ああ、やっぱり言葉の人なんだなと思った。彼女の日常はきっと毎日言葉のことでいっぱいなんだろうなと思った。この間のダモ鈴木さんのライブでダモさんや灰野さんを見ててこの人たちの日常って音楽のことでいっぱいなんだろうな、いつも音の世界の中にいるんだろうなと思った。それと同じような・・・・・。この世界に生きていると同時にもうひとつの世界にもいるような・・・・そんなことをこの本を読みながら思ってしまった。

 彼女の小説「転身」を読んだ時ちょっとしんどかった。どうしてだか読み進むのに時間がかかり、流されていくような主人公にどうしても違和感を感じたりした。その「転身」のこともちょっと書かれている。流れることを少し考えた。

 最後の「三角刑」がまたとても印象的だった。密度の濃い短編小説を読んだような気持ちになった。

 とても素敵な本に出会ったなと思った。ふと思いついてきっと何回でも読み返せそう。

秘密のおこない

秘密のおこない