町田康「宿屋めぐり」

明日からプチ旅行なのでその前に読んでしまおうと思って最後一気に読んだ。602ページもある分厚い本なので持ち歩くにはちょっとなので。
しかし、こんなに分厚い本なのに長編を読んだ気がしないのがちょっと不思議な気がする。何故だろう?でもこの本には中々てこずらされた。寝転んで読んだりしてるのが悪いのか読んでいる内に必ずと言っていい程頭がぼーっとしてきて勝手に自分で違う文章を作り出してそれを読んでいる。たぶん…これは寝ているんだと思うんだけどその眠りのなかで続いてこの本を読んでいる。しかも勝手に作られた文章を。
はっとして気が付いて読み直すと全然違う文章だ。今まで眠たい時に本を読むとこんな事もあったけど、こんなに頻繁なのは初めて

ところで町田さんの本を読むと頭の中は町田語に犯される。頭の中の思考が町田流になっている。だから町田さんの本を読んでいる期間は中々愉快な期間である。
いつもこの話の主人公、鋤名彦名の頭の中には主と言う存在があってその存在に束縛されているようであってその存在から反発するようでもある。主とは何者なのだろう…。主とは神のような者であると同時に自分の中の者、自分自身でもあるんじゃないのか?
このどんどんどんどん進んでいく荒唐無稽な物語は現実のものなのか、彼の頭の中の世界のものなのかさえ分からなくなってくる。
いったい、この物語をどのようにとらえればいいのやら…私にはわからない。
ただ、やはり宿屋めぐりては自分というものをめぐる旅なんだなと思う。

私は諦めた者だ。

誰の記憶も書かれたものだ。みな同じように同じような宿屋めぐりをしていると知れ

宿屋めぐり

宿屋めぐり