安部公房「箱男」

 久々に安部公房が読みたくなって本棚から引っ張り出してきた。でも多分「箱男」は読んだことがなかったような気がします。パラパラとめくってた印象では箱をかぶった男が街をさ迷うような話かと思ってたら全然違った。なんかどんどん視点やら場面やらが変わったりして戸惑わされる。え?けっきょく箱男は誰なのか?
 ミステリー?とか思ったらそうじゃないみたいな事が作中に書かれてたりして(汗)エロティックでありながら生々しさがないようなつるっとしたよそよそしさがあったり。見ることと見られる事が交差したり。

 読んでる間、自分もダンボールの箱をかぶってるような閉塞感を感じていた。暑い、息苦しいよとか思いながらよんだ(笑)
 やっぱり難解だったな。ぜんぜんつかめていない。

なぜぼくはこうも覗くということに固執するのだろう。臆病すぎるせいだろうか。それとも、好奇心が強すぎるせいだろうか。考えてみると、しじゅう覗き屋でいつづけるために、箱男になったような気もしてくる。あらゆる場所を覗いてまわりたいが、かと言って、世間を穴だらけにするわけにもいかず、そこで思いついた携帯用の穴が箱だったのかもしれない。逃げたがっているような気もするし、追いかけたがっているような気もする。どちらなのだろう。


箱男 (新潮文庫)

箱男 (新潮文庫)