ジャン・エシュノーズ「ラヴェル」

 小池昌代さんが紹介していて読みたいなと思い、しかし値段の高さにいったん買うのを諦めて(みすずの本だから)、だけどもう一回別の本屋で見つけたときにやっぱり買ってしまった。

 文章が独特で訳者の方があとがきで書いてるように「すべてが音楽でできてるよう」。読んでいて詩を読んでるようにも思えた。流れていくんだけどひっかかったりもする。ラヴェルの曲自体は知っていても本人自体については何も知らなかった。気難しくて神経質な男の姿が頭も中に浮かび上がる。孤独というのではないけれど人とスムーズにかかわれない性分みたいなものが伝わってくる。
 晩年・・・どんどん体が衰えて、頭の中がはっきりしてこなくて、でもそんな自分を観察してる自分がいてはっきりとわかっているという部分。認知症の人とかあんがいそうなのかもと思った。

ラヴェルは優しく言う。違うね、頭を切るんだろう、知ってるよ。それから白いターバンを巻くと、ラヴェルは覚悟が決まったようで、思いもよらずアラビアのロレンスに似てしまったねえ、と言って誰よりも先に微笑んだ。


ラヴェル

ラヴェル