山田詠美「無銭優雅」13冊目

山田詠美読むのって久しぶりだと思う。10年くらい読んでなかったかも。
この本は友達が貸してくれました。42歳どおしのべたべたな恋が描かれていて、文章が主人公の女の人の語りになってるから、最初ちょっと延々惚気話聞かされてる気になって、うわ…っと思った。けど、このふたりがひたすら可愛いんだよなあ。だから惚気話聞かされてるようでいても嫌にならないし、むしろちょっと羨ましくさえなってしまう。私だって中央線沿線でこんな男とこんな恋愛してみたいかも。このふたりはおじさん、おばさんだからこそ、気取るものや気負いがなくありのままの気持ちを曝け出せるんだろうなあ。
でもさめざめ泣ける男の人ってどうだろうか。情けなくてもプライド高くて、ふんっ、て言ってるような天の邪鬼が好きなんです、私。
後半になるにしたがって家族という存在が出てきて、その家族を含めての慈しみとかが感じられて、ああ、なんかいい感じと思った。
あと、そこかしこに死の影が漂っていて、それは引用されてる恋愛小説の文章にも漂っていて、生きてるって事は常に死の影の中にあってだからこそ、こういう恋、こういう思いが大切な輝きを増すんだと思った。
最後の一文は何を表しているんだろう…。

だけど中央線はいいなあ…なんて住んでるわけでもないのに愛着が湧いてきたこの頃であります。

無銭優雅

無銭優雅